サイト制作に不可欠なコンテンツマネジメントシステム(CMS)の中でも、WordPress(ワードプレス)で作られたサイトは全世界のWebサイトの33.6%を占めるといわれています。 弊社メディアである、このCINCマーケティングブログもWordPressで構築されています。
WordPressは操作が非常に簡単で、初心者であってもブログやWebサイトを立ち上げることができるうえ、テーマやプラグインのおかげで拡張性もきわめて高いCMSとなっています。
また、WordPressはSEOに強いとされており、GoogleのMatt Cutss氏も認めているほどですが、インストールしたまま使用するのではWordPressのSEO効果を最大限に発揮できているとはいえません。
そこで今回は、WordPressのSEO効果を最大限に引き出すために、最低限行っておくべき設定についてご紹介します。
プラグイン導入 All in One SEO Pack All in One SEO Pack はSEOで必要な設定の手助けをしてくれるプラグインです。 デフォルトでは面倒な設定や、設定が難しいときも、All in One SEO Packを導入すれば簡単にSEOに強いサイトを構築することができます。 例えば、ブログ記事それぞれにMeta title,Meta keyword,Meta descriptionを設定することが可能 です。 Meta titleやMeta descriptionはSEOにおいて最も重要な要素 であり、これらを適切に設定することで、検索エンジンや検索ユーザーにサイトの内容を適切に伝えられます。
Google XML Sitemaps Google XML Sitemaps は※XMLサイトマップを自動で生成するためのプラグインです。 このプラグインを導入しておけば、記事が更新されるたびに、XMLサイトマップが自動で更新されます。 このプラグインで生成されたXMLサイトマップをサーチコンソールから送信しておくと、Googleのクローラにサイトの構造を正しく伝えることができ、インデックス化の手助けになります。
※XMLサイトマップは、クローラがどのようなWebサイトなのか知るため、あるいはサイト内のURLを集める手がかりとなるものです。特段、SEOに効果があるというわけではないですが、クローラビリティの改善に貢献するものではありますので、設定しておいて損はないでしょう。 インデックス化を促したい新規のサイトや、画像や動画が多いサイト、動的なURLが多いサイトなどは、XMLサイトマップの導入をオススメします。
高速化対策用プラグイン ページ表示速度はSEOやユーザー体験に大きな影響を与えます。 Googleも「遅いより早いほうがいい」と社是 で掲げているほどであり、これはコンテンツプロバイダにおいても同じことがいえます。 ユーザービリティを高めるためにも、サイトやページの表示速度は可能な限り上げるべきです。
ページの表示速度向上の方法は簡単なものから難しいものまで多数ありますが、おそらく高速化プラグインの導入が一番簡単でしょう。 数多くある表示速度を上げるプラグインの中でも、W3 Total Cache やWP Super Cache などは、有効化するだけでキャッシュを生成してくれ、ページの高速表示に役立ってくれます。
シェアボタンの設置 FacebookやTwitterといったSNSのエンゲージメント(いいねやリツイートなど)は検索順位に影響を及ぼしません。 とはいえ、たとえSEO効果がなかったとしても宣伝効果は間違いなくあるので、被リンク獲得や集客、ブランディングを目指すためにもぜひ活用すべきでしょう。
SNSでシェア・拡散を促すためのソーシャルボタンを設置してください。 WordPressでソーシャルボタンを設置したい場合、様々なプラグインがありますが、オススメなのはAddToAny Share Buttons か、あるいはShareaholic です。このふたつは、他のプラグインが備えていないコミュニケーションアプリ「LINE」までカバーしています。国内で7,600万人が利用しているソーシャルメディアを押さえない手はありません。
パーマリンクの設定 WordPressで作成した記事を公開する前に、まずはパーマリンクの設定を行うようにしましょう。
パーマリンクというのは、各WebページのURL末尾にある固有部分のことを指します。 たとえばこの記事のURL(https://blog.core-j.co.jp/wordpress-seo)だと、/wordpress-seoの部分になります。 パーマリンクには、おもに「https://www.example.com/カテゴリ名/記事番号」や「https://www.example.com/カテゴリ名/記事タイトル」、「https://www.example.com/年月日/記事タイトル」、「https://www.example.com/archives/記事番号」などがあります。
設定はとても簡単。 WordPressの管理画面で、「設定」から「パーマリンク設定」をクリックします。
GoogleはURL構造はできるだけシンプルにすべきと言及しています。URLを見ただけで、記事がどんなテーマなのかわかるようなパーマリンクをつけるようにしましょう。 意味不明で長いURLをユーザーは忌避します。ユーザービリティを高めるためにも短いシンプルなパーマリンクが良いでしょう。
そこでオススメなのが、「/カテゴリ名/記事タイトル」あるいは「/記事タイトル/」です。 パーマリンク設定のカスタム構造で、直下のタグから「/%category%/%postname%」を選べば「/カテゴリ名/記事タイトル」 「/%postname%」を選べば「/記事タイトル」になります。 ただ、このままで記事を公開すると日本語のカテゴリやタイトルがそのままついてしまうので注意してください。 「%category%(/カテゴリ)」は管理画面の投稿→カテゴリから設定できます。また「%postname%(/記事タイトル)」は、一記事ごとにタイトル欄の下で設定できるので必ず行いましょう。
※冒頭で述べたように、パーマリンクの設定は記事を制作する前です。 途中でURL(パーマリンク)が変わってしまうと、それまでに得ていた被リンク、ソーシャルカウントが消えてしまいます。当然SEO効果もリセットされてしまうでしょう。 ですから必ず運用する前にパーマリンクを設定してください。
パンくずリストの設定
内部SEOとして必須な設定が「パンくずリスト」です。 ユーザー自身が、Webサイト上のどこにいるのか認識できる役割のほかに、Googleクローラがサイト上をスムーズに巡回できるようになります。また、検索結果画面ではタイトルの下のスニペットに表示されるのでCTR(クリック率)向上にも期待できます。
設置用のコードを直に入力するのもいいですが、苦手な方や初心者の方はプラグインを導入することで、パンくずリストを設定しましょう。 Breadcrumb NavXT やBreadcrumb は簡単にパンくずリストが設定できるので初めての方にオススメです。
モバイル対応のサイト構築 スマートフォンの急速な普及を受けて、Googleはモバイルファーストインデックスという評価基準を設けました。端的に言ってしまえば、PCサイトよりもモバイルサイトの評価を優先して検索順位付けが行われるようになったということです。つまり、スマートフォン未対応のWebサイトはGoogleから評価されない傾向にあるわけです。SEOを考慮に入れるのであれば、モバイル対応は外せない条件のひとつです。
とはいえ現在WordPressのテーマは、そのほとんどがレスポンシブWebデザイン(モバイル対応)ですので、深く心配する必要はありません。 念のためにテーマ選択の際、レスポンシブWebデザインであるかどうかチェックだけはするようにしましょう。
サーチコンソールへの登録 Webサイトやブログを立ち上げたら、まずはGoogle Search Console(サーチコンソール)に登録する必要があります。 サーチコンソールに登録することで、あなたのサイトの状況について詳しく知ることができます。以下は、サーチコンソールで利用できる代表的な機能。
●インデックス数 ●検索アナリティクス └クリック数 └表示回数 └CTR └平均掲載順位 ●XMLサイトマップ送信 ●Googleのクローラの巡回 ●Fetch as Google
適切なmeta noindexの付与 noindex もし、あなたのサイトが低品質なページや重複ページを多数抱えているのであれば、適切なnoindexの付与により、Googleの評価を落とさずに済みます。 noindexの付与には下記のmetaタグをHTML内のhead要素に入れることで設定出来ます。
<meta name=”robots” content=”noindex” />
noindexの追加を推奨する場合 ●コンテンツの質が低いページ ●固有のテキストコンテンツがほとんどないページ ●サイト内に同じコンテンツが掲載されているページ
canonical 一方で、正規のURLをGoogleに伝えるために記述するのがcanonicalです。 canonical属性を付与することで、何らかの理由でWebページが重複してしまっているとき、どのWebページが正しく評価してほしいのかGoogleに伝えることができます。 (重複ページを放置していると、評価が分散してしまったり、Googleペナルティに抵触してしまう恐れがあるので注意してください。) 記述方法は以下。
<link rel=”canonical” href=”https://www.example.com/123″ />
重複してしまっているWebページのheadタグ内に設置してください。https://www.example.com/123の部分が正規URLになるように記述します。
なお、noidexやcanonicalの付与もAll in One SEOを導入しておけば簡単に設定できます。
脆弱性対策 WordPressはオープンソースのCMSということで、脆弱性が発見されやすいという弱点があります。それゆえ脆弱性に対応しながら運用していかなければなりません。 脆弱性への対応をしないままWebサイトを運用すると、SEO的にもビジネス的にも大きな悪影響を受けかねません。 脆弱性対策には下記のようなものがあります。
●WordPress本体やテーマ・プラグインは最新のバージョンを使用する ∟脆弱性への対応アップデートがあるかもしれないので、常に最新バージョンを使用する ●wp-config.phpにBasic認証をかける ∟wp-config.phpはWordPress管理画面の入り口であり、ここにBasic認証をかけることで不正ログインといった第三者からの攻撃を防ぐ ●不要なプラグインを使用しない ∟不要なプラグインを減らすことで、表示速度が上昇したり、プラグインの脆弱性を狙った攻撃から守られる
まとめ WordPressを導入したらまず設定・導入したい事項を説明しました。 ただ、これらをすべて実施しただけでSEO効果がでるわけではありません。なによりも良質なコンテンツを継続的に投稿することが必須です。
せっかく作った良質なコンテンツを最大限に生かすため、本記事をぜひ参考にしていただければと思います。
▼なお、オウンドメディアを構築・運用していく際には、こちらの記事も参考にしてみてください。 ⇒【徹底解説】オウンドメディアのSEOとは?流入・集客を増加させるテクニック