Webコンテンツの解析というと、多くの方がGoogleanalyticsなどのアクセス解析でページのアクセス数などを調べる事を思い浮かべるかと思います。
しかし、最近ではアクセス数といったユーザーが訪問した事で取得できるデータ以外にもページ単位で解析出来る指標も出てきました。
例えばページ単位で付与する事ができるFacebookのいいね数などがその例です。アクセス数はユーザーの訪問数を表すのに対し、「いいね数」はユーザーによる支持の数やエンゲージメントを表す指標として用いる事が出来ます。またインバウンドリンク(被リンク)もユーザーや他者による評価値として採用出来るかと思います。
これら様々な指標を使い、各ページのコンテンツがどの様に企業利益に影響しているかを分析する為にはGoogleanalyticsだけでは完結しません。
そこで今回ご紹介するURL Profilerの登場です。URL ProfilerはWebページ(URL)単位で様々なデータを取得し、ユーザーの動きやGoogleのインデックス、被リンク数などを一度に取得できます。
URL Profilerとは?
URL ProfilerとはSEO向けに作られたURL解析ツールです。
まだ日本国内では馴染みがないツールですが、欧米では多くのSEMエージェンシーなどが利用するツールであり、Webページ単位で多数の指標を取得解析できるツールです。
リンク:URL Profiler – Powerful Content and Back Link Auditor Software
調査したいURLを入力する事で、様々なマーケティングデータを自動的に大量に取得します。
▼調べる事が出来る指標例(一部)
・被リンク数
・被リンクドメイン数
・Googleインデックス
・Facebookいいね数
・Facebookシェア数
・サーバーIPアドレス
・Whoisメールアドレス
・PageSpeed計測
・HTTPステータス
・コピーコンテンツ判定
・CMS判定
・コンテンツテーマ判定
・Google Analyticsとの連動によるアクセス数の抽出
以上の様に多種多様のデータをURL単位で解析できるため、より詳細にWebページの成果や競合他社のWebコンテンツを分析するには打ってつけのツールでしょう。
これほどのツールですので、有料となっています。プラン「Solo」の場合、月$14.95で利用できます。尚、14日間のトライアル期間があるので、気になる方はダウンロードして使ってみてください。
実際にURL Profilerでどの様な解析が出来るの!?
当ブログのURLを実際にURL Profilerを使って解析してみました。
【1】URLの収集
URL Profilerは、解析するURL(もしくはドメイン)のデータが必要です。
URLを集める方法は複数ありますが、今回はWordpressの管理画面からXMLサイトマップを出力し、URLの一覧データを作りました。
その他の方法として、デスクトップアプリケーション型のクローリングツールであるScreaming FrogやAhrefsのクローラルレポートなどが利用出来るかと思います。この方法ですと、他社のWebサイトも解析が出来ます。
参考:Screaming FrogでURLを抽出する方法(英語)
【2】URL一覧をURL Profilerに取り込む
URL Profilerを起動し、URLを入力する枠を右クリックします。すると、選択箇所が4つ表示され、URLをインポートできます。
クリップボードからそのままインポートしたり、XMLサイトマップを読み込むなど複数の方法でURLデータをインポートします。
【3】解析したデータ項目にチェックを入れる
解析目的に合わせて取得したいデータ項目にチェックを入れます。
サイト(ドメイン)単位とURL単位で解析できる項目が異なるので注意しましょう。
選択する項目の例として、各ページのユーザーの反応を見たい場合は、「URL level Data」からSocial Share、Google Analytics、Ahrefsを選択します。
これで、ソーシャル上での反応を表す「いいね数」やシェア数などのソーシャルシグナル値からGoogle Analyticsのアクセス数、直帰率、平均滞在時間といったアクセス解析データや被リンク数とAhrefRankなどのインバウンドリンクデータを一括取得することが出来ます。
その他にもuClassifyのAPIを利用したコンテツテーマや言語判定の機能もありますが、残念ながら日本語の精度はそれ程高くないので、参考程度にしておきます。
【4】「Run Profiler」をクリックし、データを取得
ソフトウェアの右下にある「Run Profiler」をクリックし、選択したデータを取得していきます。
尚、大量のデータをAPI経由以外から取得する場合、Proxyを通す事をおすすめします。
Proxyは Settings > Proxies から設定できます。
データの取得が完了すると、指定した場所にExcel形式でデータが保存されます。
↑実際の抽出データ。選択した項目のデータがURL毎に取得されている。
データを分析してみよう
URL Profilerはあくまでも多数のデータを一気に取得するソフトウェアにしか過ぎません。
集取したデータを元に「インサイト」を読み解くのは、やはり人間の眼になります。
上図はURL Profilerから取得したデータを見やすくまとめた例です。
URLとタイトル文、Googleアナリティクスのアクセス数、ソーシャルシグナル値、被リンク数が一列に並んでいます。
例えばタイトル文(コンテンツテーマ)と「いいね数」を比較し、どの様なコンテンツがFacebookやTwitter上で支持されるのか、ユーザーはどの様なコンテンツを求めているのか一覧化する事で見えてくるものがあるでしょう。
また、ソーシャルシグナルの数は良いにも関わらず、Googleアナリティクスの直帰率が非常に高い場合、他ページへの誘導が上手く出来ていないという改善点を見つける事が出来ると思います。
↑URL Profilerで出来る事:特長ページから
最後に
URL Profilerは今までのWebコンテンツ解析ツールとは異なり、自社内外問わず解析でき、尚且つURL単位で複数のプラットフォームを跨いでデータを取得できるツールです。
元々はGoogleの被リンク精査ツールとして開発されましたが、今では様々な機能が加わり総合的なコンテンツ分析ツールとして利用できるツールになりました。
アイデア次第では最も多くの分析やインサイトの発見ができるので、気になる方は是非使ってみてください。