最近では、ランサーズやCrowdworksと言ったクラウドソーシングサービスなどを通して、気軽にコンテンツを外注する事が出来るようになりました。
しかし、発注者側と受注者側で要件が正しく伝わっていない為に、アウトプット(納品物)の品質が悪く、何度も差し戻したり、もめてしまうケースがあります。
依頼しやすいが故に、簡単な要件だけしか伝えず、結果的にお互いの納品物に対する認識が異なったりして、上手く外注出来ないという声を良く聞きます。
今回は、クラウドソーシングや外部のライターに執筆を依頼する際の、最低限押さえておくべき項目をご紹介いたします。
執筆を外注する時におさえるべき項目
納期
どの基準の物を、いつまでに納品するべきかを明確にしておきましょう。
通常、執筆は下記工程を通します:
アウトライン
↓
見出し文作成
↓
草稿
↓
文章構成のチェック
↓
清書
↓
校正
↓
入稿
Webライティングの場合、最終納品の前に最低でも1回のチェックは入れたい所です。そうなると、草稿が終わりライター側で校正が完了した状態でまずは仮入稿してもらいましょう。
仮入稿された記事に修正箇所が多数ある場合は差し戻しを行い、修正後再入稿してもらい、再度チェックを行います。仮入稿の段階で問題が無い場合は入稿を完了とします。
上記の通り、チェックポイントとしては、草稿の段階で1回のチェックと、清書を終えた段階で再入稿と、2回の納品が発生します。
したがって、納期もこの2回のポイント毎に設定します。
<例>
草稿完了、入稿:2014年10月16日
清書完了、納品:2014年10月30日
本数
記事何本を依頼したのか明確に記載します。
よくあるケースとして、メールで依頼した際、文章に関する要件は明確に記載されているにもかかわらず、その記事執筆を何本分の記事として依頼しているのかを書いていない場合があります。
発注側は1本分として依頼しているにも関わらず、受注側はテーマが余りにも大きすぎるから3本の記事に分けて書くのだろうと勝手に解釈してしまい、記事本数に対する認識の差が生まれてしまいます。
依頼時には必ず記事何本なのか明確に記載しておきましょう。
文字数
文字数は重要な項目です。
文字数の指示は「●文字以上」とするか、掲載するWebページ枠の広さに制限がある場合は「●文字以上、○文字未満」と記載しましょう。
単価
ここは一番重要な項目かもしれません。
執筆タスクを発注する際につける単価としては主に下記の2つがあります。
■1文字~円
文字単位の価格です。
この場合、納品時に文字数を数える手間が発生しますが、文字数が少ない案件などは安価で発注できる時もあります。
執筆内容や品質によって価格も大きく異なりますが、相場としては1文字1~2円です。
■1記事~円
記事単位の価格です。
文字数ではなく、記事単位で金額が発生する為、長文の執筆発注は主にこの形式で金額が決められます。
依頼する際は、文字数単価なのか、それとも記事単価なのかを明確にします。
リライトの可否
Webライティングでは、他のWebサイトからの文章抜粋や一部文言を変えて文章を作るリライトがあります。
納品記事は全て0で文章を書き上げるのか(オリジナル文章)、それとも一部他サイトから抜粋・リライトしても良いのか否かを明確にしておきましょう。
尚、抜粋・リライトを承諾する場合、どこまで承諾範囲なのかも合わせて明確にしましょう。
画像有無
イメージ画像や説明画像が欲しい場合は、その旨を明確に伝えましょう。
特に画像は、頭でイメージしている物を文章で伝えるのは難しい為、出来る限り特徴やイメージに近い画像を提示しましょう。
又、画像の出典元(URLなど)は提示するように伝えましょう。特に著作権の確認は慎重に行う必要があります。知らず知らずに他者の著作権を侵害した形で自社サイトに画像を掲載していた場合、損害賠償請求にもなりかねません。
受注側(ライター)には、画像選定時に著作権チェックを必須とさせ、納品時に著作権侵害無しを確認した旨をメールなどで残してもらいましょう。
又、画像のサイズも依頼時に伝えておきます。Webサイトには横幅が決まっている為、綺麗に表示する為には画像のサイズもWebサイトのレイアウトに合わせる必要があります。依頼時には横幅▲▲▲px、縦幅■■■pxと記載しましょう。
文体
日本語には、親しみやすく柔らかい「ですます」調もあれば、固く断定的なイメージを与える「でだ」調もあります。
文章に統一感を持たせるためには、全ての文章を同じ文体に揃える必要があります。又、既にWebサイト内に掲載されている他の文章とも統一性を持たせる為に、既に利用している文体とあわせて文章を書いてもらうよう伝えましょう。
納品物の著作権(所有権)
納品された文章の著作権(所有権)を決めておく必要があります。
多くの場合は、依頼者側が文章の著作権も買い取る形が多いですが、依頼時にクリアにしておく必要があります。
暗黙の了解で進めてしまうと、ライター側は、「仕事の依頼をもらったが、文章自体はライターの著作として掲載するので、著作権も継続してライターに帰属する」と考え、発注側と受注側で著作権に対する認識の相違が生まれてしまいます。
イメージに近いコンテンツのURL
ライターと依頼側のイメージをより一致させる為に、依頼側の想像と近いコンテンツのURLを幾つかライターに提示しましょう。
本来は、文章の背景やストーリーまでも明確に依頼書に記述するべきですが、依頼数が多い場合、その作業自体が非常に負荷ですし、それでは外部に依頼する意味が無くなってしまいます。
そこで利用できるのが他のWebサイトや雑誌などを例に伝える方法です。Google検索などで、自分がイメージしている記事に近いWebサイトなどを探し、いくつかライターに提示します。
提示したサイトがどの様にイメージに近いのか、また良いのか箇条書きにして伝える事で、ライター側もより依頼者側の要望を想像しやすくなります。
支払関係
お金の問題は一番シビアであり、気をつけなければなりません。
ライター側は一日も早く報酬を受け取りたいという思いがあるのに対し、依頼者側は納品物のクオリティをチェックして、満足した段階で支払わないと心配、と両者支払期限に対する考えが真っ向から異なります。
又、支払の多くが銀行振込で行われると思います。この際、振込手数料や消費税は依頼金額に含めるのか、依頼者側の負担なのかも明確に記載しましょう。
支払関係で明確にすべきポイント
・支払サイト:いつまでに入金するか
・手数料:振込手数料はどちら負担か
・消費税:依頼金額に含まれているのか否か
まとめ
Webディレクターとして外部に記事を発注する際は、最低限でも下記は抑えておきましょう。
・納期 … いつまでに、どの段階で
・本数 … 記事何本依頼したのか
・文字数 … 文字数は何文字以上か
・単価 … 文字単位か、記事単位か
・リライト可否 … 他文章の抜粋やリライトはOKか
・画像有無 … 画像は必要か、何本必要か
・文体 … 「ですます」調か、それとも「でだ」調か
・著作権(所有権) … :納品後の著作権は誰に帰属するのか
・イメージURL … :依頼者側のイメージに近い記事はどれか
・支払関係 … いつ、幾ら支払うのか
尚、メールなどで依頼する際は、依頼内容を承諾した旨をメールの受領返信という形で残してもらうよう、ライターに依頼メールに対する返信を依頼しましょう。