リスティング広告は、管理画面での調整や広告文(クリエイティブ)の変更でも大きく効果が変わります。
ひび進化する配信画面のパラメータを巧妙に調整すれば、様々な切り口でいくらでも改善は出来ますが、あのシステムを使いこなすのは至難の業。
今回は管理画面や広告文を少し変えるだけで、効果向上が望る改善ポイントを書いてみたいと思います。
【1】除外キーワードの設定
部分一致やフレーズ一致などでキーワードを入稿していると、顧客とは成り得ない検索クエリでも自社の広告を表示させてしまう事があります。
潜在的な顧客や、今まで検討もつかなかったキーワードで検索してくる優良顧客を逃さない為にも、部分一致での広告出稿は避けられません。
部分一致で潜在層を獲得しながらも、明確な非顧客ユーザーによる広告表示を排除するには、除外キーワードの入稿・設定が有効です。
過去の配信レポートや検索クエリレポートから不要となるキーワードを抽出しましょう。
また、他社名や批判系キーワードなど商品・サービスの購入に結びつかない掛け合わせ語句も合わせて抽出しておきます。
それらワードを部分一致の除外ワードとして設定しておけば、顧客には成り得ないが部分一致入稿キーワードで検索するユーザーのみを効率よく広告配信対象者から除外できます。
参考:
・Adwords – キャンペーンに除外キーワードを追加する
・Yahoo! – 対象外キーワードについて
【2】配信時間帯の設定
アカウント・キャンペーンの設定がデフォルトの場合、広告は可能な限り24時間、365日配信される設定となっています。(「標準の広告配信」の場合)
当然、アカウント内の残予算や、各キャンペーンに定められている1日の予算の消化額によっても状況は異なりますが、基本的には24時間均等的に配信されるようになっています。
しかし、時間帯によっては、同じキーワードでも検索するユーザー層が大きく異なり、広告による効果(CVR)が異なってくる場合もあります。
顕著にその事象が現れる例として、対法人向けのキーワードが挙げられます。
「コピー機 法人」などを検索するユーザーの多くは、導入を考えている会社の担当者です。実際に購入を考えて情報収集するのは業務時間中である事が大半です。土日や祝日、真夜中や朝方には殆ど優良顧客による検索は発生しません。
24時間配信した場合、確かに潜在的な顧客も漏れ無く獲得できる事になりますが、広告予算がさほど大きくないケースでは、より顧客層を絞って配信時間を設定するのが良いでしょう。
リスティング広告の時間帯レポートとあわせて、GoogleAnalyticsなどではコンバージョンを時間帯で解析する事ができます。
1日の限りある予算を最大限見込みある顧客の獲得に投下する為にも、時間帯配信を有効に使いましょう。
参考:
・Analytics – コンバージョンの多い時間帯に広告を掲載する
・Adwords – 広告のスケジュール設定をカスタマイズする
・Yahoo! – 曜日・時間帯ターゲティング
【3】IPアドレスの除外設定
Google Adwordsのみの機能になりますが、特定のIPアドレスに対して広告配信を避ける事が出来ます。
競合他社のIPアドレス帯域や、何度もリスティング広告をクリックして訪問するユーザーのIPアドレスを設定する事で、対象顧客とならないユーザーによる広告クリック(予算消化)を防ぐ事ができます。
IPアドレスを見つけ出す方法はいくつかありますが、最も手軽なのはアクセスログから見つけ出すのが良いでしょう。
GoogleAnalyticsの場合、ページ側JSコードのカスタム変数にIPアドレスを表示する事で、IPアドレスとアクセスデータを照会出来るようになります。広告入稿URLにutmパラメータを付与し、GoogleAnalyticsのデータ内で広告流入を明確化させる事で、どのIPアドレス(=ユーザー)が広告経由から多数アクセスし、コンバージョンに寄与していないか解析する事が可能です。
参考:
・Adwords – IPアドレスの除外
・【GoogleAnalytics】IPアドレスの取得方法
まとめ
1)除外キーワードの設定
対象顧客と成り得ない顧客が検索するであろうキーワードを予め登録する事で、広告表示を防ぐ。
2)配信時間帯の設定
限り有る予算を最もコンバージョンが獲得できる時間帯に集中する事で、全体的な費用対効果の向上を図る。
3)IPアドレスの除外設定
見込顧客とはならないユーザーのIPアドレスを登録する事で、表示を防ぐ。