2014年からGoogleの日本版にも出現し始めているアンサーボックスですが、最近では辞書的な検索クエリである「●●とは」でもアンサーボックスを表示するようになりました。
意外にも、一般名詞と「とは」の組合せ検索の回数は多く、またアンサーボックスには参照元リンクが表示される為、主要ワードで自社Webサイトに集客する方法としては『アンサーボックスへの採用促進』も検討するべきと弊社では考えています。
今回は、「とは検索」でGoogleのアンサーボックスに採用されるWebページの傾向を調査し、コンテンツの書き方や表示促進方法などを分析してみました。
参考:
・グーグル、「とは」検索でワンボックス表示
・「** とは」検索が上位に: Google2013年話題となった検索ワードランキング
Googleアンサーボックスに出始めた「とは検索」
アンサーボックスといっても様々なタイプが存在しますが、今回調査の対象としたのは「~とは」で検索した際に表示されるアンサーボックスです。
「とは検索」の場合、情報源となったWebページへのリンクを表示しており、集客口としても機能するようになっています。単にGoogleが情報を抜粋するのでは無く、リソース元としてリンクも表示する為、自然検索の一部として機能(集客)する可能性もあります。
特に「とは」で検索する多くのユーザーが、検索している「事」に関し詳しくは無いものの、興味関心がある(事を知りたい)と想定できます。
「とは検索」のアンサーボックスには参照元ページへのリンクが表示され、Webサイトへの誘導口としても機能します。
今回は一般名詞+「とは」のキーワードから、検索ボリュームが10以上のキーワードを754個調査しました。
まず、アンサーボックスが表示される率ですが、約50%のキーワードで検索した際、検索結果にアンサーボックスが表示されました。
日本版のGoogleにも様々なキーワードでアンサーボックスが表示されるようです。
アンサーボックス内の文字数ですが、平均として172文字でした。
文章は途中で区切れること無く、最後の「。」まで表示されていました。
アンサーボックスへの採用を促す為には、一般名詞(主ワード)に関する説明文を200文字以内で完結しておくのが良いでしょう。
次のアンサーボックスに採用されるWebページの自然検索上での順位です。
約半数の参照元ページが自然検索でも1位でした。
しかし、残りの半数が2位以下でもあり、必ずしも自然検索向けのアルゴリズムがそのまま利用されいる訳では無い事が分かります。
上のスライドにもあるように、必ずしも自然検索向けのアルゴリズムがそのままアンサーボックスへの採用を判断するアルゴリズムには利用されていない様です。
恐らく、Webページが受ける外部の評価やページメイン箇所全体の評価を軸とする自然検索向けアルゴリズムとは異なり、アンサーボックスという小さい枠にユーザーの知りたい事を簡潔の説明している文章がページ内に用意されている事も、アンサーボックスへの採用のポイントになるのではと考えられます。
今回調査したキーワード754個の内、アンサーボックスが表示されたキーワードは395個でした。
395個の内、61%にも相当する243個がWikipediaで占められていました。
Wikipediaがアンサーボックスに採用される確率は高い様です。
では、Wikipediaが自然検索で上位ランクインするキーワードは、アンサーボックスでもWikipediaが採用される可能性は高いという事でしょうか?
調べると、必ずしもWikipediaが優先的に採用される訳ではないようです。
上スライドは「文学部とは」や「マニュフェストとは」の検索結果です。1位にはWikipediaがランクインしますが、アンサーボックスにはWikipediaは参照されていません。
Wikipediaが自然検索で1位にも関わらず、アンサーボックスに表示されない場合の共通点として下記2点がありました:
1)「●●とは」の後に続く説明文章が、HTML上で1つの「●●とは」と関係付いていない場合
2)自然検索2位やそれ以降のWebページの方が、主軸ワード「●●とは」に関し詳しく説明している場合
71%(281個)のキーワードが、アンサーボックスに表示される文章の文頭に表示されました。
恐らくですが、一般名詞に関して詳しく説明しているページがアンサーボックスへの参照元ページとして採用される傾向にあります。辞書的な役割を果たし、詳しく説明しているWebページが採用元として
ちなみに「とは」を含むアンサーボックスの数ですが全体の52%となりました。
「とは検索」だから必ず「とは」を含めるべき…では無いようです。しかし、52%の参照ページが「とは」を含んでいた結果も事実ですので、含めたほうが出る場合がある、という可能性もあると考える事も出来ます。
さて、「とは検索」で採用されるページやコンテンツの傾向が何となく見えてきましたが、今後アンサーボックスを集客の観点からどの様に捉えるべきなのでしょうか。そして、どの様なページで採用促進していけば良いのでしょうか。
例として、下記の2つがあります:
1)初心者向けの説明コンテンツで採用される様にする
部品名やサービス名+「とは」で検索したユーザーを集客する為のWebページを執筆し、とは検索時のアンサーボックスにも採用されるようにします。
「火災保険とは」や「ディザリングとは」など潜在的な顧客を獲得できるキーワードでもアンサーボックスが表示されます。初心者向けの説明コンテンツを用意し、早期潜在顧客層を自然検索とアンサーボックスの2口から集客します。
2)辞書コンテンツ
Web辞書を展開しているメディア事業者はもとより、サービスに纏わる専門用語や呼び名の説明を記述した辞書ページが存在する場合、このページを用いて顧客ユーザーの獲得をアンサーボックスでも図ります。
Googleがアンサーボックスに掲載しやすい形式と内容を反映し、採用を促進します。
最後に
最近のGoogleの傾向として、検索結果ページ上で情報を表示し、ユーザーの利便性を高めようとしています。
コンテンツマーケティングは顧客が欲している情報を適切な形式でコンテンツ化する事が重要ですが、同時にユーザーとコンテンツを繋げる集客経路の最適化も必要です。
新しいGoogleの動きであるアンサーボックスを有効活用し、自社のコンテンツを新たな経路で配信出来るようコンテンツの執筆方法に工夫をこらしてみましょう。