ここ最近、ペンギンアップデートやパンダアップデートなど次から次へと新しいアルゴリズム変更がなされているGoogle検索ですが、この変化はコンテンツマーケティング施策にも影響が出始めています。
元々、コンテンツマーケティングはSEOやインターネット広告最適化などの「流入経路の最適化」が目的ではなく、あくまでも「顧客育成」が目的である為、SEOは考慮してはいません。
しかし、昨今のGoogleアルゴリズムとコンテンツマーケティング施策の方向性が一致している為か、副産物的な効果として検索エンジンからの集客数が増加し始めています。
今回はその事例をご紹介したいと思います。
検索エンジンの集客数が増加した事例
ビッグワードの順位が上昇したサイト
B2Cの比較サイトの事例です。元々はDBと連動して多数の地域名やカテゴリ名でランディングページが自動生成される所謂な比較サイトでした。
過去、HTMLタグを変更する技術的なSEO施策を実施されてきた様ですが、中々効果が見られないという事で新たな集客施策としてコンテンツマーケティングをご実施頂きました。
検索エンジンの順位
コンテンツマーケティング施策として記事を追加後、1週間後11月2日に急激に順位が変動しました。
上図の様に圏外に位置していたキーワードの数が減少し、1ページ目にランクインするキーワードが一気に増加しました。
集客数
上図は検索エンジン経由の集客数をコンテンツフォースでアクセス解析した例です。
非常に分かりやすく、検索順位の上昇に合わせ集客アクセス数も増加し、たった1週間でアクセス数が倍以上までに増加しました。
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こちらのWebサイトはコンテンツマーケティング施策としてコンテンツ記事(ページ)を追加した以外、他の施策は何も実施していませんでしたが、結果的に検索エンジンに評価され、集客数の増加を短期間で図る事が出来た事例です。
実際にSEOで重要なインバウンドリンクの数は変動無く、Webサイト内のHTMLを変更していない為、良質なコンテンツの追加が結果的にSEOにも効果が合ったと言えます。
上図はahrefs.com上での当該サイトのインバウンドリンク推移
テールワードの順位上昇が見られたサイト
こちらのサイトは教育研修を主なビジネスとしている会社様のWebサイトです。
主ワードは、SEOやリスティング広告でも激戦区のビックワードであり、今まで殆ど集客出来ない状態にありました。又、過去リスティング広告を出稿したものの、最終的な研修サービスの申込(契約)には至らず、採算が取れないため広告出稿の継続を断念した経緯もありました。
今回は、対象顧客である人事担当者を獲得する為のオウンドメディアを既存のWebサイト内に構築しました。又、公開時から十分なページ(記事)数をユーザーに届ける事が出来るよう、公開前に数百ページ以上を作成し、入稿しました。
集客数
サブディレクトリ配下で作成した新規オウンドメディアのページ群が10月24日を境に一気に評価(順位上昇)され、流入アクセス数が急増しました。
最高値で従来の30倍強まで増加し、今現在でも集客数は増加しています。
検索クエリ
Googleのウエブマスターツールでは、検索結果ページで表示されたキーワードの表示回数やクリック数などを定量データとして閲覧する事が出来ます。
今回のサイトではビッグワードはもとより、様々なスモールキーワードの順位が上昇した為、検索クエリの表示回数のグラフも急上昇を見せています。
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このコンテンツマーケティング施策では、十分な記事を用意した上で公開前した事が功を奏し、結果的に公開から数週間で急激な集客数の増加が見られました。
まとめ
昔から「良いコンテンツを作れば、検索エンジンからも評価される」と言われ続けてきました。
しかし、SEOと呼ばれる施策の多くがHTMLの修正や被リンクと言った技術的な施策に偏っており、最も重要なコンテンツの企画や制作は比重が低い傾向にありました。又、検索エンジンの精度がまだ発展段階にあり、技術的なSEO施策で十分検索ランクが上昇した為、ますますコンテンツの制作の重要度は下がっていったのも事実だと思います。
Googleが会社の思想として掲げる「ユーザーに適切な情報を届ける」とは逆行した検索結果になりつつありましたが、2012年のパンダアップデートの適用からその状況は大きく変わり、検索エンジンも技術的なSEO施策から、よりページの中身を重視する様になりました。
そして2014年のパンダアップデートVer4.xでは、さらに内容の充実性の判断精度が高まり、顧客に取って良いコンテンツを多数抱えているWebサイトが評価される検索アルゴリズムに変わりつつあります。
コンテンツマーケティングとは流入経路関わらず、コンテンツを用いて顧客を育成し、企業収益を上げていくのが目的です。しかし、結果的にはコンテンツマーケティング施策もGoogleアルゴリズムも顧客を最も重視しており、同じ方向を向いていた為、検索ランクが大きく上がる評価を得たのだと考えられます。