(この記事で紹介している検索アルゴリズム変更観測ツール「Algowatch」の機能は、現在keywordmap(キーワードマップ)のアルゴリズム分析機能の「SERPs変動観測」に移行しています。ご了承ください。)
検索エンジンの順位変動をモニタリングするツールAlgowatch(→keywordmapの「SERPs変動観測」に移行)に、ドメイン毎の検索順位の推移数値をCSV形式でダウンロードできる機能を追加しました。
これにより、デイリーで順位変動が見られたサイトの検索順位変動推移をExcel上で比較分析できます。
CSVデータのダウンロード方法
Algowatchにアクセスし、調査したいサイトドメインを入力します。
サイトドメインの順位推移グラフの上にある「csvダウンロード」をクリックすると、直近2ヶ月間の推移データをダウンロードできます。
利用シーン例:ドメイン変更によるSEO流入変動調査
競合サイトやSEOの研究としてウォッチしているがWebサイトがドメインを変更(移行)した際、検索順位が変動せず安定的に移行できたか、それとも上昇させたか、はたまた下落させてしまったか調査する事ができます。
AlgowatchのTOPページには、毎週大きな変動が観測された上位10個のドメインが一覧で表示されています。
その中に、Yahoo!ロコの本体ドメインと、search.から始まるドメインの2つが表示されていました。
本体ドメインは15%も急上昇しているのに対し、search.で始まるドメインは-23%も下落していました。
loco.から始まる本体ドメインは3月下旬からヒットキーワード数を急激に伸ばしています。
反対にsearch.から始まるドメインは3月からヒットキーワード数は大幅に減少しています。
両ドメインの増減が極めて近い一致を見せている事から、301リダイレクト処理によるドメイン移行(インデックス統合)の可能性が高いと判断する事ができます。
今現在でもヒットし続けているキーワードで検索すると、たしかにsearch.で始まるドメインのインデックスが残っていました。
実際にクリックすると、search.に301リダイレクトされる事から、以前からリダイレクトを開始し、評価(順位)を徐々に本体ドメインに移行させている事が分かりました。
しかしながら、何故か移行に時間を要している為か、現在もsearch.で始まるドメインでインデックスが残り続けているようです。
インデックスが残っているページのGoogleキャッシュを見ると、search.から始まるドメインのページには既にloco.から始まるドメインに対してCanonicalが向いていました。
しかしsearch.で始まるドメインでインデックスが残留している所を見ると、GoogleはこのCanonical記述を無視していたと考えられます。
あくまでも予想にはなりますが、GoogleがCanonicalを無視しインデックスをloco.ドメインに統合しない為、SEO施策の一環として強制的に301リダイレクト処理をかけた可能性も考えられます。
現在は、search.からloco.へリダイレクト処理がなされており、Yahoo!ロコの一覧ページが1つの正規ページ(loco.から始まるドメインを正規とした場合)に統合しようとしている事が分かります。
Index統合により流入獲得力に変化が見られたか分析
search.から始まるドメインを全てloco.へ移行する事で、自然検索経由の流入獲得力に変化が見られたか調査してみましょう。
異なるサブドメインを1つのドメインに統合する際、心配なのが以前の流入獲得ポテンシャルが落ちないか、主要ワードでの検索順位が下落しないか気になる所です。
今回はケーススタディとしてYahoo!ロコのインデックス統合を調査してみましょう。
loco.とsearch.の検索順位推移データをCSV形式でダウンロードし、Excelに貼り付けます。
ピボットテーブルを組み、2つのドメインの順位推移データの合算値を日別で集計します。これにより、Yahoo!ロコ全体の自然検索集客力を調査できます。
上の図は合算値をグラフで表したものです。
loco.とsearch.の合算値を見ると、インデックス統合後も殆ど集客力に変化無く、安定的に推移している事が分かります。
4月にやや順位下落が見られたものの、5月から以前と同水準まで回復している事からIndex統合によるSEO流入獲得力への影響は軽微である事が分かります。
大規模サイトのインデックス統合施策を実施する際、既存検索順位の維持に対する懸念が社内で挙がった時は本ケーススタディを参考に実施に対するリスクや可能性などを見積もる事もできるでしょう。
最後に
Algowatch(→keywordmapの「SERPs変動観測」に移行)は毎日データを観測しており、ほぼリアルタイムで順位の下落を観測することができます。
監視しているキーワード数に限りがあるため、全てのキーワードの順位推移までは追えませんが、SEO研究・調査などに大まかな過去の推移データが必要な際はぜひご活用ください。