弊社Coreでは、コンテンツマーケティングのコンサルティングを行う傍ら、コンテンツの制作代行も行っています。
しかし、以前ほかの企業が提供していた代行執筆サービスを目にした時、「自社Webサイトに載せるコンテンツを他人に依頼するなんて考えられない」と思っていました。当事者が携わっているサービスや業界に関しては、当事者本人が誰よりも詳しい訳ですし、多くを知らない他の方にライティングをお願いするメリットが分かりませんでした。
実際にコンテンツマーケティングを始めると、その大変さが身を持って知り、なぜ外部に依頼するか、その背景が分かってきました。
おそらく同じ様な疑問を持たれている方もいらっしゃるかと思いますので、今回はなぜ自社のコンテンツを外部に依頼する必要があるのか、その理由を書いてみたいと思います。
ブログ、続いていますか?
コンテンツマーケティングとは、潜在顧客層に対して欲していると思われる情報をコンテンツ化し、提供することで顧客の創造を図るマーケティング手法です。
一見遠回りのように見えますが、実はそうでもありません。
スマホなどデバイスの進化と普及に伴い、人々の情報に接する段階が格段に早まり、潜在顧客層に早期に接触できるほど顧客数の最大化を図りやすくなります。(詳しくはコンテンツマーケティングとはを御覧ください)
ある一定のコンテンツ量と正しいアプローチ方法を実施し続ければ、通常のマーケティング手法よりも圧倒的に安価で集客し、非常に意思が強い顧客を獲得できるマーケティング手法として日本国内でも2013年ころから注目され始めています。
又、Webマーケティングの先進国である米国では多数の成功事例が実績値と共に報告されており、多くの有名企業がオウンドメディアといった形でコンテンツマーケティングを実施し始めています。
この様な成功事例を目にすると、多くの担当者や経営者の方が「じゃぁ、ウチもブログを始めてみよう」と思われるのではないでしょうか。
しかし、コンテンツマーケティングへの理解や戦略、準備が整っていない段階で着手した場合、その大半が効果を得る事が出来ず、施策辞退を途中で止めてしまうケースが非常に多いのです。
「継続は力なり」
将来獲得できるであろう顧客を頭のなかで想像し、来る日も来る日もコンテンツを作り続けるのはある種の忍耐が必要な作業です。
しかも、数記事上げた所で殆ど集客には寄与せず、何時間もかけて作ったコンテンツが会社に貢献していないと感じてしまうかもしれません。それもそのはず、数記事では内容が「バズる」事が無ければ、人の目に触れる機械は滅多にありません。
コンテンツマーケティングに於ける集客の大半は「検索エンジン」と「ソーシャルメディア」の2つに占められます。
検索エンジンの集客数を増やすのであれば、検索エンジンから評価を得る記事を書き、ある程度サイト全体の評価も高めなければなりません。
ソーシャルメディア経由の集客数であれば、人が読んで面白い、共有したいと思える記事を作り、定期的に流し続けなければなりません。
どちらにせよ、記事の数はとても重要であり、安定的に集客できるまではコンテンツを作り続けなければならないのです。
アクセス数やCVと言った報酬が無い中で毎日コンテンツを作り続け、Webサイトを育てていく、この継続力があるか無いかでコンテンツマーケティングの結果も大きく異なってきます。
書く事は想像以上に大変
プロのライターさんのように毎日文章を書いたりしない限り、「書く」事は想像以上に大変で、頭を使います。
誤字脱字のチェックは校正ツールで簡単に出来ますが、表現や伝え方は自分の頭で考えるしかありません。
普段から多くの文字を書く事に慣れない人が突然文章を書き始めると、その大変さから最後まで書き終えずに終えてしまうか、途中で文章の内容が強制的に終わっているなどを目にします。
長文になれば大変さも倍以上になります。章毎の流れや繋がりを考えながら文章を書くことになり、思っていた以上に負担のかかる作業になると思います。
毎日のネタ探しに困る
私もネタが尽きる事自体が分からず、「業務やお客様から得たヒントを書けば良いのでは」と思っていました。
しかし、実際に記事として内容のあるものを書こうと思うと、一つのネタでも、そのネタを軸に肉付け(文章)をしていかなければ薄っぺらい記事になってしまいます。
肉付け出来る程のネタで無ければ、結局の所、内容のある文章は書けないのです。
この事が分かると、書くことが無いか毎日考えるようになります。この習慣は情報の見方を変えるキッカケとなったので非常に良かったのですが、慣れるまでは何を書けばいいのか分からず、日々苦労しました。
良いネタを思いつき、メモ帳に草稿を書いていくと何も考えていなかった事に気づきボツにしたりと、結構ネタ探しには困る物です。
継続した運用が物を言うコンテンツマーケティング
日々の積み重ねが結果となって帰ってくるのがコンテンツマーケティングだけに、継続力・運用力は非常に求められます。
「社内のスタッフは本業で忙しく、執筆を依頼してもなかなか記事が上がってこない。しかも、殆ど集客に寄与していないし、ましてやコンバージョンは全く…」
上記はあくまでも例ですが、社内ブログの更新が滞り、サービス情報サイトが略更新停止状態に陥っている所は以外にも少なくはありません。
コンテンツマーケティング成功事例で取り上げられる超有名大企業であれば、予算も十分に組まれ、専用の人員を配置できるので成功して当然なのかもしれませんが、一般企業ではそうはいきません。
そこで活躍するのがコンテンツの代理制作です。
弊社もそうですが、日本国内には数社ほどのコンテンツ制作会社が存在します。一定の基準をクリアしたライターがクライントの代わりにコンテンツを企画、執筆、校正し、納品するというサービスです。
実際の流れとして、まず初めにクライント企業からのヒアリングとマーケティング戦略の立案があります。
Webサイトにどの様な顧客を集客し、最終的なコンバージョンへと運んでいくかを考慮しながら、コンテンツを企画し、1つ1つの記事ベースに落としこんでいきます。
中長期的にどの様な顧客をいつまでに獲得し、最終的にはコンテンツマーケティング施策でどれくらいの「収益」貢献を目指すかといった数値計画もたてます。「数字」というひと目で分かる計画が無いと、効果が見えづらい間、本当に効果が出るのかとクライント企業に不安を抱かせてしまい、手前で施策の継続を断念してしまう事があるからです。
コンテンツマーケティング支援会社がコンテンツを作り、クライント企業側で最終チェックや専門的な説明の追記や企業独自のニュアンス追加などを行うといったフローを通し、コンテンツを協力して作り上げていく形になります。
全くの0でコンテンツを作り上げるよりかは、ある程度クライント企業のサービスや会社を理解したライターが草案を作り、その草案に対してクライント企業が肉付けを行う方が圧倒的に制作の負担も少なく、コンテンツマーケティング実行の実現性が高まります。
コンテンツマーケティングの先進国である米国では数多くのコンテンツ制作サービスが立ち上がっています。ネット上でライターとクライントが直接やり取りを行い、コンテンツの発注から修正指示などを出す事ができるクラウドサービスです。
例えばWrittentはコンテンツライティングに特化したクラウドソーシングサービスです。
クライントは自分の要望をフォームに入力するだけで、在籍しているライターから提案を受け取り、発注する事が出来ます。もちろん、納品後の修正を依頼する事も可能です。
執筆対象となるライティング形式も多種多様に対応しています。
例えば、ブログ向けの記事執筆からニュースレター、ECサイトなどに掲載する商品の説明文、Webページに掲載する文章、ツイート文、Facebookの投稿向け文章に対応しています。又、納品物の品質も選ぶことができ、執筆前の調査やコピーライティングスキルの有無で費用が変わります。
当然、欧米圏でもランサーズのようなクラウドソーシングはあります。
しかし、より高品質な文章の必要性が高まり、自然とWrittenの様なライティングに特化したクラウドソーシングサービスが2012年から立ち上がっているようです。
この流れが日本にもやって来るのかは分かりません。米国は英語という世界共通語を公用語にしている為、市場の規模も日本語に比べ格段に異なります。
しかし、オウンドメディアの必要性が叫ばれている今の日本に於いても、「コンテンツの不足」は近い将来やって来るのではないかと考えています。その時には、日本でも大手サイトのコンテンツをクラウド上で活躍するライターが書いている、という事になるのかもしれません。