「他社(他Webサイト)が行っている新施策が効果を発揮しているのか?」や「これから参入しようと考えている領域に居るWebサイトは実際にどのくらいの集客を得ているのだろうか?」など他社が行った新しい施策の効果を測り自社への導入可否を検討したり、新規参入するマーケットに居る各Webサイトの集客力や、立ち位置(競争力の順位)を把握し自社のマイルストーンを立てるなどマーケティング業務に於いて競合調査は極めて重要です。
しかしアクセス解析の管理画面を見ない限り他Webサイトの流入状況を調べる事は事は出来ません。
SimilarWebは一部ユーザーの訪問データを元に世界中のWebサイトの訪問者数を割り出し表示してくれるツールです。
Similarweb公式サイト
Webマーケティングに於ける競合分析とは?
Webマーケティングに於ける競合調査はざっくり下記7つがあるのではないでしょうか。
- トラフィック数
- トラフィック元
- ブランドやサイト名での検索回数(認知度)
- 重要ワードの検索順位
- リスティング広告出稿状況
- 他ネット広告出稿状況
- ソーシャルシグナル
上の7つの中でもトラフィック数はアクセス解析の管理画面を見ない限り正確な数値を知り得る事は出来ません。
以前はGoogle社が提供していたDoubleClick Ad Plannerという見積ツールがありましたが、2012年9月15日に閉鎖されてしまいました。
その中で2013年終わりごろから話題になり始めたのがSimilarwebというツールです。
Similarwebは何が出来るのか!?
1)訪問者数
過去半年間の月間訪問者数
上記例は tabelog.com(食べログ)の訪問者数。7月には1050万人が訪問している
2)トラフィック元
過去3ヶ月の訪問元が比率
食べログの場合は7割以上が検索エンジンからの訪問
<項目>
Direct…ブックマークやURL直打ち訪問
Referrals…参照サイト(他サイトのリンクから訪問したユーザー)
Search…検索エンジン経由
Social…FacebookやTwitterなどのソーシャル経由
Mail…メール経由
Display…ディスプレイ広告経由
3)訪問元の国
訪問者の国(地域)や言語を比率で見ることが出来ます。
4)リファラー元サイトと次訪問先サイト
リファラー経由で訪問するユーザーのアクセス元サイト
対象サイトを離れ、次にアクセスするサイトも確認できる
5)検索エンジン経由訪問の詳細データ
検索エンジン経由訪問には広告であるリスティング広告経由流入とWeb検索結果からの自然検索経由流入の2つがある。
広告経由と自然検索経由の流入比率や流入キーワード、検索エンジン別の流入比率を確認する事が出来る。
6)ソーシャル経由訪問の流入元比率
各ソーシャルメディア別の訪問比率を表示。
食べログの場合、ソーシャルメディア経由流入の半数以上がFacebookという事が分かる。
以上以外にも訪問者の興味関心をタグクラウドしたものや、訪問者がアクセスした他サイト、類似サイトなどを表示してくれます。
他サイトの流入状況を調べる為だけに作られたサービスだけあってAd Planner等のツールよりも詳細なデータを調べることが出来ます。
Similarwebの利用シーン
Similarwebはデータを表示してくれますが、そのデータを元に何をするのか、いつSimilarwebのデータを見て何を判断するのか、までは提示してくれません。
アクセスデータを収益改善・向上に繋げれるか否かはそのデータを扱うマーケッターの見せ所でもあります。
新規施策立案の費用対効果見積もりに使う
Web上では日々新しいマーケティング手法が生まれ、各社挙って試しています。最近ではキュレーションメディアやコンテンツメディア、バイラルメディアなどがその例では無いでしょうか。
しかし新しい手法なだけに成功事例も世の中に出回っているわけでもなく、実際に予算を投下して実施して良いのか否か判断する事が非常に難しいのも現状です。当然そんな状況では予算取りの決裁にも上げる事が出来ない為、やらず仕舞いで終わってしまう事も多いと思います。そのような時、SimilarWebを利用する事で、おおよその費用対効果を見積もることが出来ます。
【例】新規メディアの事業計画
広告で収益を上げているWebメディア事業部の担当者が新たな集客方法を模索していたとします。ある日、競合他社のキュレーションメディアが良い効果を出していると聞きます。
Webサイトのコンテンツは読み物として機能しており、キュレーションメディアでここまでのコンテンツが作れるのであれば実際に自分たちもやってみようと思い事業計画書を作るのですが、実際にどのくらいの収益が出るのか検討が付きません。
※制作費、運営費は制作会社は社内リソースを考慮して算出できる
そこでSimilarwebです。新規キュレーションメディアの最終目的は新規会員の獲得(既存メディアへの会員登録)と広告収益の2つです。会員登録は未知数が多い為、見積もりからは一旦除外する事にし、広告収益の試算に入るとします。
収益の大半がGoogleAdsenseになる為、既存メディアの値を参考にして算出します。
↓既存メディアの値
今回は係数として1ユーザーあたりの平均PVと、AdsenseのCTR、CPCを利用し収益モデルの数式を立てます。
すでに平均PV、adCTR、adCPCは自社サイトの値を採用するので、あとはキュレーションモデルでサイト立ち上げ実績値が出ている競合のsimilarwebの値を入れてみます。
競合サイトと同じ訪問数が獲得できれば単月では80万の利益が出そうですね。
上記は単月収益算出なので、黒字転換するまでの赤字回収まで考慮し見積もりと、合わせて競合と同等の集客を得る為の方法(SEOやSMM等)を考慮し試算しなければなりませんが、ざっくり概算すくらいであればこれで十分でしょう。
まとめ
SimilarWebは手軽に他Webサイトの流入状況をしらべる事ができます。普段使うサイトや競合サイトの流入状況をしらべて気付きを得るには非常に有効なツールだと思います。有料版はより詳細のデータを参照できますので、気に入った方は検討してみるのもよいでしょう。