Webサイトのアクセス解析を行うことは、すなわち企業がもつWebサイトの課題点を洗い出し、改善点を見つけ出すということです。そして、高性能且つ無料で提供されているツールがGoogle Analyticsです。
Google Analyticsには資格が用意されています。それがGoogle Analytics Individual Qualification (GAIQ)というもの。これは、Google Analyticsの機能を理解しているのか、適切に使用することができるのか、といった習熟度を測るものです。この資格を取得するためには、Google Analytics IQ試験を受ける必要があります。
以下、GAIQ試験の概要を見てみましょう。
受験方法:Web上
受験言語:日本語可(以前は英語に限られていたが、日本語に対応した。)
試験時間:90分
問題数:70問
合格基準:80%以上(56問以上の正解)
受験料:無料
再試験:不合格となった7日後
資格有効期限:資格取得日から18ヶ月
学習方法
では合格に向けて、どんな試験勉強をしたらよいのでしょうか。これには主に2つの方法があります。
1.)市販の書籍
2.)Googleが提供している学習ガイドを使用
1.)市販の書籍
Google Analyticsを学習するための書籍がいくつか販売されています。
「Google Analyticsパーフェクトガイド 増補改訂版 Ver.5/ユニバーサルアナリティクス対応」(SBクリエイティブ)や「Googleアナリティクス 実践Webサイト分析入門 ユニバーサルアナリティクス対応 Web担当者が身につけておくべき新・100の法則」(インプレスジャパン)が挙げられます。
2.)Googleが提供している学習ガイドを使用
GoogleはGoogle Partnersのヘルプとして「GoogleアナリティクスIQ学習ガイド」を提供しています。
こちらには学習内容が9つのテーマに分けられ、Googleの定義の下で学ぶことができます。9つのテーマとは以下のものがあります。
・デジタル解析の始め方
・Googleアナリティクスのデータの見方と活用方法
・Googleアナリティクスでの実用的なデータの収集
・Googleアナリティクスのレポートの操作
・コンバージョンレポートの操作
・プラットフォームの仕組み:基本要素
・プラットフォームの仕組み:収集
・プラットフォームの仕組み:処理と構成
・プラットフォームの仕組み:レポート
これらのテーマの下に様々な詳細情報が記述されているのです。
さらに英語でのコースとなってしまいますが、Google Analytics Academyとして、
・デジタル解析の基本
・Googleアナリティクス プラットフォームの仕組み
が提供されており、YouTubeの動画で学ぶことも可能です。
以上、2つの学習方法をご紹介してきましたが、どちらがよいのでしょうか。
1.)市販の書籍で学べること
こちらは、Google Analyticsという高機能ツールを、どんな状況の時にどのように調べるのか、といったことを学ぶことに長けています。
例えば、それぞれのページテーマに沿って、実際のGoogle Analytics画面を使用し、図や表を多用して説明しています。そのため、自分でGoogle Analyticsの画面を開いていなくてもイメージできるようになっており、基本的な分析をする際にどのような操作をすればよいか把握しやすくなっています。
2.)Googleの学習ガイドで学べること
Google Analytics IQ学習ガイドでは、各テーマ、またその配下にあるコンテンツの要点がまとめられており、各機能やその重要性、どんな分析をすることができるのかを詳しく学ぶことができます。
しかし、図や表が使用されていないため、Google Analyticsを使用したことがない人には操作のイメージがつきにくく、分かりにくさを感じるかもしれません。
GAIQ取得体験記
背景
Google Analyticsの画面を見たことはあった。分析はせず、ただリアルタイムのアクセス数を見ているのみ。
分析をするにあたって、Google Analyticsの機能を最大限に活用するため、認定資格の学習を開始。
第一段階
Google Analytics学習書籍を購入し、学習した。
1周目
全てを覚えようとするのではなく、どういった機能をどのように使えるのかということを触り頭にいれる。
2周目
細かな内容を覚えるように読み、時には前ページに反復学習。
GAIQ認定試験は無料且つ再受験可能でるため、このタイミングで一度、受検をしてみる。しかし結果的には、約70%しか取れず不合格であった。
不合格の要因として考えられたことは、プラットフォームの仕組みをあまり理解していなかったことだった。
集客・行動・コンバージョンに関してはGoogle Analyticsを使用する上で重要であると認識しており、重点的に学習していた。しかし、実際の試験では根本的な仕組みに関する理解がほとんど出来ていなかったため、問題のとりこぼしが起きてしまった。
よって、次回の受検までには「データの見方・活用方法」ではなく、「Google Analytics使用前のプラン」「根本的な仕組み」を学習することとした。
第二段階
プラットフォームの根本については書籍よりもGoogleが提供している学習ガイドを使用することにした。
たとえば、Google Analyticsの4つの構成要素である「収集」、「処理」、「構成」、「レポート」とは具体的にどういったことなのかを意識し、学習した。どこからデータをインポートすることができるのか、など、書籍では物足りなかった箇所を集中的に見なおした。
また、「Analytics使用前のプラン」(測定プラン)を立てる際、どのようなことを決めておくべきなのか、どういった手順で決めるべきか、ということを学習した。
このタイミングで2度目のGAIQ認定試験を受検した。結果は合格基準ギリギリの56問正解(正答率:80%)でなんとか合格。
実践
そして実際に使用する機会を得てGoogle Analyticsを操作。資格を持っているからとナメてかかったところ悪戦苦闘。ここで、学習と実践はやはり別物だと実感。
取りたいデータが的確に取れない、データの絞り方が…、といったようなことが出てくる。しかし、冷静に学習内容を思い出してみると、なんとか取得したいデータに到達。
Webサイトが抱える問題点や改善点を把握でき、Google Analyticsを使用出来ることのメリットを実感した。
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いかがでしたか。
Google Analyticsの試験について、また勉強法や体験談をご紹介しましたが、概要や学習ポイントを知り、GAIQを取得しようというキッカケとなれば嬉しいことです。
Google Analyticsは無料でありながらも高い解析機能を持つ強力なマーケティングツールです。使いこなし、保有するWebサイトに潜む問題点を見つけ、改善に努めてはいかがでしょうか。