どの企業でも抱えている「工数」の問題。
日々のルーチン業務が忙しくて、中々新しいプロジェクトや業務に手が付けられていない…そんな工数の問題はどの会社でも聞く話です。
特にWebマーケティングでは、レポート作成から広告配信の調整、競合状況の把握と日々激的に変化する数字を纏めるだけでも非常に多くの工数がかかったりします。
今回はWebマーケティングで自動化に役立つ技術を紹介したいと思います。
チャットワークAPI
チャットワークとは、Webブラウザ上で利用できるビジネス向けチャットサービスです。
業務連絡をメールではなくブラウザ上から直感的に出来るサービスで、IT企業を中心に多くの会社に導入されているサービスです。
コミュニケーションの機能以外にもファイルストレージ機能やタスク管理機能など業務を支援してくれる機能が付いています。
このチャットワークはAPIも公開しており、申し込む事で誰でも利用できます。
チャットワークAPIで出来る事
↑エンドポイント->room
上図の通り、Webブラウザ上で出来るチャットワークの動作は、基本的にAPIを通しても実行する事が可能です。
特定のユーザーに対してメッセージを送信したり、タスクを付与したりする事が出来ます。
何か新たな変化が発生した場合、チャットワークを通して担当者にメッセージで報告したり、タスク化を自動的に行い、対応の抜け漏れを防ぐ事もできます。
上図は検索順位の変動を報告するBotのメッセージです。
絶対に見逃してはならないマーケティングの数値監視をBotに任せ、チャットワークで報告させる事により監視時間を削減しながらも、見逃しを防ぐことができます。
メールフォームからお問い合わせが合った場合や、クライアントやユーザーからメールが届いた場合も、Botを通して確認タスクを自動的に付与する事で対応の抜け漏れを防ぎます。
リンク:ChatWrok API
Adwords API
リスティング広告のGoogleAdwordsが提供するAPIです。
Adwords上の広告管理や調整、レポーティングなどの広告管理タスクから、キーワードプランナー機能までAdwordsの機能を幅広くAPI経由で利用できます。
AdwordsAPIの利用にはGoogleへの申込を行い、審査に通過しなければなりません。
必ずしも審査には通過する訳では無い為、全ての方が即時利用できるAPIではありませんが、条件をクリアされている方であれば、効率化の為にも申込する価値はあると思います。
▼AdwordsAPIの申込条件(一部)
・MCCアカウントを保有している事
・既に複数のアカウントで広告を出稿している事
肌感ではありますが、ある程度の広告費消化金額が無いと審査は通過しない傾向にあります。AdwordsAPIの提供目的が、大量のアカウントを効率良く管理する事にある為、消化金額が少なく手動でも十分管理できると判断されてしまうと審査落ちする可能性があります。
審査には約2~3週間掛かります。
通過すると規約書に電子署名し、受理されるとAdwords管理画面で「承認済み」と表示され、晴れて利用できます。
利用回数の制限
無料で利用する事は出来ますが、1日当たりの利用回数が1万アクセスまでと制限されています。
膨大なアカウント数を管理している広告代理店で無い限り、10,000/日で事足りると思いますが、有料のスタンダードアカウントに申し込む(再申請)する事で、制限の無いAPIアクセス権を得ることも出来ます。
リンク:スタンダード アクセスの申請
利用シーン
リスティング広告の数値は日々大きく変動する物であり、出稿金額が大きい程、毎日数字の変動に応じて調整しなければ費用対効果の改善はできません。
しかし、様々な業務を兼任している担当者の方や、大量のアカウントを管理している代理店運用者の方にとっては、1日に何度も管理画面を確認する作業は工数がかかる物です。
AdwordsAPIを通して、重要となる数値をメールやチャットワークに報告させる事で、アカウント画面へのアクセス工数を削減できます。
又、CPAやCV数、消化金額の閾値を予め定め、その閾値を越えた場合、直ぐにメールでアラートを投げる様な仕組みを組むことで、見落としによる調整タイミングの遅れも回避できます。
最後に
今回は2つのAPIのみを紹介しましたが、最近は殆どのツール・プラットフォームベンダーはAPIを無料で開放しています。
APIとBotを組み合わせる事で、毎日手動で行っていたレポート作成や関し、管理も自動化できます。
又、最近ではマーケティングオートメーションという考えの下、人間が行う調整やマーケティング判断でさえ機械的に行ってしまおうと言うテクノロジの考えがあります。
APIを扱うにはある程度のプログラミング知識が必要ですが、クラウドソーシングなどを通してシステムを組み上げてみるのも良いかもしれませんね。