SmartNewsやLINE News、Gunosy、Yahoo!ニュース、NewsPicksなど最近では様々なニュースアプリが存在します。
SmartNewsは既に500万ダウンロードを達成し、多数のユーザーがSmartNewsを通して日々のニュースを見るようになりつつ有ります。
このユーザー行動の変化は、Webメディアへのアクセスの構造を大きく変えつつも有ります。
上図はとあるメディアサイトのアクセスチャネルを表した円グラフです。数年前までは検索エンジン経由(オーガニック)と特定サイトからの流入が大半を占めていましたが、現在はリファラーからの流入がサイトの半数以上を占め、そのリファラーの大半がSmartNews経由でした。
決して検索エンジン経由のアクセス数が下がっているのではなく、SmartNewsのアクセス数が一気に上回る程の集客をもたらした為、現在のチャネル比率に置いてはSmartNewsの集客占有比率が高い状態にあります。
この様に、ニュースアプリは人々がコンテンツに接する為の方法そのものを変えており、Webマーケティングに於いてもニュースアプリを無視出来ない存在になりました。
今回は、Line NewsとSmartNewsに取り上げられる記事の傾向を調査したので、ご紹介したいと思います。
取り上げられる記事を調査
今回は、どうすればニュースアプリに記事を取り上げられて、膨大なアクセス数を獲得できるかを目的に、現在取り上げられている記事の傾向を調査してみました。
※あくまでも弊社の独自調査によるもので、信ぴょう性はございません。いち参考としてご覧頂ければと思います。
Line News
コミュニケーションアプリ「LINE」のニュースアプリ「LINE NEWS」はリビジェンによる調査結果でもその知名度、利用率ともに高く、多くのユーザーを抱えているニュースアプリです。
Line Newsの特長は、その記事構成にあります。
他のニュースアプリが記事(WebページURL)単位で配信しているのに対し、LineNewsはトピックベースで引用元URLを束ねている(キュレート)記事構成の様に見受けられます。
上図はLineNewsの恋愛カテゴリのページです。トピック(主題)の出典元ページを本文トピックとし、そのトピックに関連する補足情報を他サイトから探しキュレートするのがラインニュースの特長です。
以上の様に、トピック元となる記事があり、それに付随する他の記事が1つのトピック記事としてまとめられて表示されるのがラインニュースと言えます。
このニュースの抽出方法は他のニュースアプリとは異なり、トピックを選別し、関連する情報を別のサイトから探すという機械的(アルゴリズム)に生成するには難しい記事構成の様に見えます。
上図の表は「恋愛カテゴリ」で取り上げられた出典元ドメインと取り上げ数です。本文トピックとして取り上げられるサイトの構成比に注目すると、殆どのトピックが一部のサイトから選択されている傾向があります。
グノシーやスマートニュースなど機械的かつユーザーベースの抽出の場合、常に一部サイト群に偏るのは考えにくく、自動的抽出ではなく人的な記事の抽出と選別が行われているのではないかと考えられます。
尚、補足情報として選択されている記事の多くはNaverまとめなどが多い傾向にあります。
本文トピックの記事との補足情報として採用されるWebページの関連性を想定するに、本文トピックを選定した編集者が検索エンジンを用いてキーワードベースで記事を見つけ出し、その記事(Webページ)を補足情報のページとして掲載しているのでは無いかと考えられます。
参考リンク:採用情報:編集スタッフ(LINEニュース)
LineNewsに取り上げられる為には
あくまでも予想ですが、ややYahoo!ニュースに取り上げられる為の施策と似ているのではないかと考えられます。
メイントピックを選定する編集者に如何にニュースや記事を選んでもらえるかがポイントになります。まずは様々な媒体を通して編集者との接触点を増やすようにしましょう。
又、LineNewsで取り上げられる記事のテーマや内容を研究、分析するのも重要です。テーマの傾向や内容、書き方、写真の利用方法など「取り上げられやすい記事の要素」を分析し、自社のコンテンツにその要素を反映していきます。
その他補足情報のコンテンツとして取り上げられる為にも検索エンジン対策も重要な施策の一つになります。
SmartNews
ダウンロード数500万を突破したニュースアプリ「SmartNews」は順調にそのユーザーを増やしています。
弊社も各Webメディアのコンサルティングを行う中で、参照元としてSmartNewsを頻繁に目にするようになり、とあるWebサイトではどの参照元よりもアクセス数が多い超重要媒体になりつつあります。
そのSmartNewsですが、Gigazineのインタビュー記事ではツイートを元に、ユーザーに支持されているニュース記事を抽出し、記事を選択している様です。
又、Metapsの調査によると、数多く存在するニュースアプリの中では最も多くのユーザー評価数を得ており、そのUIの使い易さなどから更にユーザー数を獲得する事でしょう。
参考:
・GIGAZINE:「SmartNews(スマートニュース)」本社はこんな感じ取材レポ&インタビューで根掘り葉掘りいろいろ聞いてみました
・激戦区のニュース・キュレーションアプリの比較<Gunosy、SmartNews、Antenna、Yahoo!ニュース、LINEニュース、NewsPicks>
ツイッター上でURLのツイート数がSmartNewsに取り上げられる係数であるとの事でしたので、実際にどの位のツイートを獲得すればSmartNewsに露出するのか調べてみました。
今回は過去SmartNews内で露出したURLから恋愛系に関するWebページURLを独自に収集し、そのツイート数をURL単位で取得&解析してみました。
上図はSmartNews露出した恋愛系記事の平均ツイート数を一覧化した物です。
あくまでも独自に収集したURLのみですので、その数値自体は精緻ではありませんが、傾向として平均50前後のツイートが必要な様に見受けられます。
上のグラフは各URLのツイート数を分布として表した物です。横軸がツイート数のレンジ、縦軸がレンジに該当するURL(取り上げられる記事)数です。
赤い点線で囲った領域が中央値になり、90~100の間が中央になります。
上図は実際にSmartNewsに露出していたMen-Joyの記事のツイートを追ったものです。
様々な箇所からツイートされており、実際の人間によるツイートもあれば、Botやアフィリエイトを目的としたツイッター型バイラルメディアによる引用も多い様です。
SmartNewsに取り上げられる為には
アルゴリズムによる記事の取得&選定の為、いつその評価指標が変わるか誰にも分かりません。
現時点ではツイッターによるURLの言及数が参考値として利用しているのではないかと考えられますが、データ抽出元をツイッターから他のソーシャルメディアに切り替えたり、もしくはツイッターによる決定値の「重み」を下げたりと、何時その決定指標が変わるのかは誰にも分かりません。
これはSEOの順位決定要素(Googleアルゴリズム)に似ていますね。
もちろん、偽装ツイートなどは今後のアルゴリズム改善で効かなくなるでしょう。そうなると、本当に記事の内容で勝負しなければなりません。
まとめ
●各ニュースアプリの記事選定アルゴリズムや基準はことなるものの、ユーザーが欲している記事や内容でないとニュースアプリに取り上げられない。
●ニュースアプリの選定要素や係数などを考慮して記事を作るのは重要だが、それ以上に記事の内容を重視し、いまユーザーが欲している内容を考えながら記事を書くのが一番の近道。
●LineNewsは人的な記事選定が行われている可能性が高い。まずはトピックを選ぶ編集者に目が止まるような記事の露出やコンテンツテーマの選定が重要。又、補足情報の記事として選ばれるために、検索エンジン対策も重要。
●SmartNewsは主にTwitter上のツイート数が取上判断要素となっている可能性が高い。