「何時間もかけて書いた記事がパクられた!」
「断りもなく無断で引用された!」
ブログやホームページを運営していると、コンテンツがそのままコピーされる事がよくあります。
単に記事が盗まれるだけであればまだしも、同じ文章がネット上に複数存在する事から、Googleが重複なコンテンツとしてオリジナル元に誤ってペナルティをかける場合もあり、事実上トラフィックの減少という被害に遭うこともあります。
今やコンテンツを作るだけではなく、そのコンテンツを「守る」事も重要な運営業務であり、それら守りを怠ると他者にコンテンツを盗用され続け、出るはずの効果もほどんど得られず終わってしまいます。
今回はコンテンツの盗用に備える方法を説明したいと思います。
コンテンツの盗用とは?
ここで取り上げるコンテンツの盗用とは、文章のコピーを指します。
日本の著作権法上、ネット上の文章にも著作権が認められています。
法的にはブログの投稿にも著作権があり、無断で利用した場合、著作権侵害で訴える事が出来ます。しかし、一部コンテンツが盗用されたからといって弁護士を通して法的に警告を出される方はまずいないでしょう。
膨大な費用をかけて制作する映画や音楽等のコンテンツとは異なり、Webメディアの文章コンテンツ制作費用はそれ程高く無く、盗用された所で金額的な損害は映画に比べてほぼありません。(映画の場合は収益元であるDVDやネット配信での売上が下がるという直接的な損失がある)
では、文章コンテンツの盗用の被害とは何が考えられるでしょうか。
どの様な被害を受けるのか!?
1.検索エンジンからの評価が下がる
現在、Googleはコンテンツを盗用したサイトにペナルティを課しています。ペナルティの多くが、検索順位の強制的な下落であり、これはWebサイトにとって大きな打撃であり、事実上存在しない事に値します。
本来は盗用サイトに対して罰する事で正常に機能しますが、盗用したサイトがオリジナル元として誤認されるケースもあります。
Googleは飽くまでも独自開発のアルゴリズムで判断する為、確実にオリジナル元を判断し続ける事は出来ません。この為、盗用されたにも関わらず、Googleは盗用したサイトの順位を上げ、オリジナル元を下げるという誤認判定も発生し得る場合があります。
2.評価・効果が横取りされる
ソーシャルメディアが発達した現在、インターネット上のコンテンツ全てが個人によって評価される時代になり、「いいね」や「シェア」などによって評価が付き、良いコンテンツは速いスピードで拡散していきます。
仮に他のWebサイトにコンテンツが丸々盗用され、尚且つそのWebサイトが多くの評価をソーシャルメディア上で受けていた場合、著者はどう思うでしょうか。
何時間もかけて作ったコンテンツにも関わらず、他人のサイトからコンテンツを盗み、あたかも自分が書いたコンテンツとしてソーシャル上評価されているという状況は非常に悔しいものです。
当然、オリジナル元が幾らソーシャル上で宣伝したとしても、後から告知してもユーザーは関心を示しません。これはユーザー引いては見込顧客を奪われるという事実上の損失になります。
オリジナル元を認定するのはGoogle
ネット上では、オリジナル元を判断するのは事実上Googleだと私は考えています。
もちろん、Googleの判断には法的な強制力はありません。しかし、コンテンツを公開する目的はユーザーの獲得であり、Googleはネット上のトラフィックを検索順位でコントロールする役割を担っています。
Googleがオリジナルと評価すれば、結果的にトラフィックは流れ、リンクも増えます(可能性が高まる)。結果的に、ソーシャル上での認知も高まり、盗用元がなぜか「オリジナル元」として世間にも認識されてしまう可能性もあるのです。
したがって、コンテンツを制作し、公開するに当って如何にGoogleからオリジナル元として認識されるかが重要となります。
コンテンツを守る
コンテンツが盗用されてからでは遅いのが現状です。盗用される前にいくつかの対抗策を事前に打っておきましょう。
公開した瞬間にFetch As Google
Fetch As Googleとは、指定したURLに対してGoogleを誘導し、登録するウエブマスターツールの機能です。この機能を利用する事により、公開した瞬間にGoogleへの登録を済ませ、盗用される前にオリジナルだとをGoogleに伝える事が出来ます。
Fetch As Googleの手順
ページURLを指定し、「取得」をクリック
ウエブマスターツールにログインし、クロール>Fetch As Googleを順にクリック。公開先のURLを入力し、[取得]をクリックします。
「インデックス送信」をクリック
インデックス送信をクリックし、「このURLのみをクロールする」に選択肢、Googleに対してページ内容を送信します。
これにより、公開と同時にGoogleに対してコンテンツを一番始めに送信し、コンテンツのオリジナル元を示すことが出来ます。
リンク:URLの再クロールをGoogleにリクエストする
定期的なチェック
いつ誰がコンテンツを無断で盗用しているか分かりません。公開後も定期的にチェックし、コンテンツを盗用から守りましょう。
チャックする項目として下記が挙げられます。
ランディングページのセッション数
アクセス解析などでランディングページのセッション数を確認しましょう。
特定のランディングページのセッション数が大幅に下落している場合、ユーザーが他サイトに奪われている可能性があります。月次、週次で比較し、目立った変動があるランディングページを探してみましょう。
検索順位
Googleがコピーコンテンツとして認識すると、検索順位を下げる場合があります。ページ(キーワード)に対して何も行っていないにも関わらず、大幅に下落した場合は、他Webサイトにコンテンツを盗用されている可能性もあります。
参考:クラウド型SEO順位チェックツール6選
コピーチェック
セッション数、検索順位が大幅に動いたページのコンテンツを対象に、コピーチェックを行います。Webサイト上に同じ文章を載せているサイトやページが無いかを確認し、盗用の有無を確認します。
複数のコピーチェックサービスが存在しますが、精度の観点から「影武者」と「コピペリン」がお勧めです。
両ツール共に、コピーチェックをしたい文章を幾つかの文に分解し、自動的にGoogle上で検索を何度もかけ、類似しているページを探し出してくるツールです。チェックしたい文章が大量にある場合は大活躍してくれるツールです。
▼コピペリンの動作イメージ
リンク:
コピペチェックツール『影武者』
記事・文章コピペ検出チェックツール「コピペリン」
盗用が確認出来たら
作成したオリジナルのコンテンツが無段で盗用されている場合の対処法を下記にまとめました。
Webサイトオーナーに削除依頼を出す
先ずはWebサイトのオーナーに連絡を取り、削除を依頼します。
個人Blogであれば、オーナーが直接コピーしたことになりますので、削除を依頼しましょう。又、掲示板など不特定多数のユーザーが書き込めるWebサービスの場合は、運営者に連絡し、削除を依頼します。
Googleに削除を依頼する
Web上に公開したコンテンツの著作権もデジタルミレニアム著作権法により保護されています。これら権利を侵害するWebサイトが存在する場合、Googleに対して検索結果から削除を依頼する事が出来ます。
ウエブマスターツールにログインの上、著作権侵害による削除フォームにアクセスします。フォーム内の項目に必要情報を入力し、Googleに送信します。
数時間~数日でGoogleからの結果が届き、異議申立てが認められた場合、盗用したWebサイト(ページ)は検索結果から削除されます。
参考:著作権違反の全パクリサイトにDMCA侵害申し立てしたら12時間で処理された
Facebookに削除を依頼する
Facebook社もデジタルミレニアム著作権法に従い、異議申立てがあった際、著作権を侵害しているコンテンツをFacebook上から削除する事があります。
権利の侵害を報告フォームから必要情報をFacebookに伝え、結果通知を待ちます。
参考:Facebookでは、DMCAによる反論通知をどのように処理しますか。
まとめ
デジタルコンテンツはコピーが非常に容易く、誰でも盗用の被害に遭う可能性があります。
コンテンツマーケティングは潜在顧客に対してコンテンツを提供していくのが主なタスクですが、同時にコンテンツを守る施策も忘れてはなりません。
せっかく作った資産を半永続的に運用する為には、日々の運用と監視が重要となってきます。