運用型広告という言葉を耳にしたことはありますか? 「そもそも広告って運用するものなの?」と思われる方もいるかもしれません。
運用型広告にはいろいろな種類があり、広告の出稿の方法や広告費の計算方法も異なります。 以前は広告主が媒体の広告枠を買い取り、自分で制作した広告を掲載する「純広告」と呼ばれるものが主流でしたが、現在は、運用型広告を使ってたくさんのメディア媒体に広告を出稿し、多くのユーザーにアプローチすることができるようになっています。
今回は、株式会社Coreで運用型広告を全面的に任されているこの僕が、 「競合サイトが運用型広告で多くのユーザーにアプローチをしていて、自社でも始めなければ!」 と感じている方のために、今さら聞けない運用型広告の概要についてご紹介していきます!
運用型広告とは 運用型広告には、リスティング広告に含まれる検索連動型広告やディスプレイネットワーク広告に加え、 DSPと呼ばれるアドテクノロジーを活用して出稿する広告も含まれます。 具体的には、Google検索結果の上部に表示されるものや、ブログメディアに画像で表示されているバナー広告、また、YouTubeの動画広告やFacebook広告の大部分も運用型広告にあたります。
リスティング広告とは
検索連動型広告やディスプレイネットワーク広告、そして、アドエクスチェンジやDSPなどのアドテクを活用した広告も含まれます。一方、純広告や記事広告、アフィリエイト広告は含まれません。
リスティング広告とそのメリット、運用するポイント YahooやGoogleのような検索エンジンの検索結果に表示される広告のことで、検索結果には広告であることの表示がされます。
●リスティング広告のメリット リスティング広告は、ニーズが明確なユーザーにアプローチすることが可能です。 ユーザーが検索するキーワードを想定した上で出稿するため、コンバージョンを獲得しやすそうな検索キーワードを選ぶことができるのです。
例えば、温泉宿の予約を獲得するためにリスティング広告を出稿するとしましょう。「温泉宿」だけで検索する人と、「温泉宿 予約」で検索する人とでは、「温度感」が違います。 前者は、温泉宿が多い観光スポットを検索しているだけかもしれませんが、後者は、実際に温泉宿を予約するつもりで検索している可能性が高いです。
ターゲット層にマッチするキーワードを選ぶことで、少ない広告費で顕在化しているニーズを獲得することができるというわけです。
また、リスティング広告はクリック課金方式を採用しているため、スモールスタートが可能になっています。 枠を購入して掲載するバナー広告などは、表示されただけで広告費が発生するケースもありますが、クリック課金の場合は、クリックされて初めて広告費が発生します。
●リスティング広告運用のポイント 「ミドルワード」と「スモールワード」を狙って広告を出稿することが、運用のポイントです。 そうすることにより、コンバージョンにつながらないクリックを減らすことができ、顧客獲得単価を最適化することが可能となります。
検索キーワードはそれぞれ、ビッグワード、ミドルワード、スモールワードの3種類に分けることが多いですが、ビッグワードは検索数が多い分、コンバージョンレートは低くなりがちです。一方、スモールワードは検索数が少ないですが、コンバージョンレートは高くなる傾向にあるといわれています。
※上記はキーワードプランナーにて算出
特にスモールキーワードを狙うと、コンバージョンを生まないクリックを減らすことにつながります。
また、リスティング広告は、リアルタイムでの配信開始や停止、修正、また、今まで出稿していた広告クリエイティブの修正を簡単に行うことができます。クリック率が低い広告クリエイティブを適宜修正することが可能なわけです。
アドネットワークとアドエクスチェンジの違いって何?
運用型広告には、リスティング広告だけではなく、「アドネットワーク」や「アドエクスチェンジ」と呼ばれるサービスも含まれます。
●アドネットワークとは 2008年頃から登場したアドネットワークとは、複数のメディアから広告在庫を入札できるサービスのことを指します。複数のweb広告メディアを束ねて広告を配信する仕組みになっています。 多くのWebサイトを媒体とすることで、多くのトラフィック量を確保することが可能となり、広告主にとって大きなメリットがあります。 媒体側も、アドネットワーク事業者に受注や掲載の手続きを任せることができるのため、両者にとって良いサービスだといえるでしょう。
代表的なアドネットワークは、YahooやGoogleのディスプレイネットワーク広告などです。 ディスプレイネットワークの中には、多くのwebサイトに掲載されているバナー広告や動的広告、youtubeの動画広告などがあります。
●アドエクスチェンジとは アドエクスチェンジとは、各媒体やアドネットワークが持つ広告掲載枠を交換できる仕組みのことです。アドエクスチェンジがアドネットワークをまとめ、莫大な広告掲載ネットワークを構成したことにより、アドネットワークよりもさらに膨大なトラフィックを確保できるようになりました。 また、アドエクスチェンジが登場したことで、広告配信フォーマットや課金形態など、これまで媒体ごとに異なっていた広告配信の仕組みが統一されました。
例えば、アドネットワークは、事業者によって課金体系が異なっていましたが、アドエクスチェンジの導入によってインプレッション課金方式への統一化が進み、よりリーズナブルな広告配信ができるようになりました。
広告配信の仕組みが統一化されたことで、各媒体やネットワーク内の広告枠の開放が進み、広告掲載面が広告枠市場として取り引きされるようになりました。
また、アドエクスチェンジは、リアルタイムで広告枠の入札単価が変動する仕組みになっています。この方式は「RTB(Real-Time Bidding)」や「リアルタイム入札」と呼ばれ、広告枠でインプレッションが発生する都度入札が行われ、最も高い掲載枠価格を入札した広告が表示されます。 広告主は入札金額をそのまま支払うわけではなく、「セカンドプライスビッディング」と呼ばれる2番目の入札者の金額+1円で課金されるケースがほとんどです。
DSPやSSP、RTBってよく聞くけどどういうことなの? DSPとは「Demand Side Platform」の略で、広告主の広告効果の最大化を支援するシステムのことです。
DSP広告の最大の特徴は、RTBでの入札単価が決定されていることです。 一般的には、広告枠が発生してから、SSP(後ほど詳しく説明します)と提携している各DSPが広告枠の入札を行い、DSPに出稿している広告主によって落札されるまでの一連の流れを、リアルタイムで進めます。
一方SSPとは、Supply Side Platformの略で、メディア媒体側の広告効率の最大化を支援するシステムのことです。DSPとSSP、そしてRTB方式での入札システムの登場により、広告主はターゲティングしたいユーザーにリアルタイムで広告配信することが可能となりました。それだけでなく、広告を掲載するメディア媒体も、広告枠の収益化の手間を省き、業務を効率化できるようになりました。
まとめ 一口に運用型広告と言っても、いろいろな種類があることをお分かりいただけたかと思います。今回ご紹介した内容を参考に、自社に合った広告をぜひ比較検討してみてください。