以前からMozのRand氏がTwitterで、リリース間近とつぶやいていたキーワード分析ツールが本日公開されました。
Mozのファンでもある私にとっては待ち望んだツールであり、早速触ってみましたので、レポートしたいと思います。
Keyword Explorerにアクセスし、調査したいキーワードを入力し「japan」を選択した上で、検索ボタンを押します。
今回はキーワード「SEO」を分析してみます。
すると、対象キーワードの分析結果が一覧で表示されます。
この分析結果ダッシュボードで確認できる内容は下記の通りです:
・検索ボリュームレンジ
・キーワード難易度
・キーワード機会
・キーワードポテンシャル
・キーワードサジェストワード
・SERPs(検索結果)分析
・メンション
基本的な数値指標
検索VolからSEOの難易度、キーワード機会、ポテンシャルが数値で表示されます。
●検索Vol
多くの方が普段利用するAdwordsキーワードプランナーの検索ボリューム値とは異なり、Keyword Explorerは検索ボリュームのレンジ(範囲)を表示します。
上図の例(キーワード「SEO」)の場合、検索ボリュームは7万~11万の間である事が分かります。
しかし、キーワードプランナーの検索Volでは40,500と表示されている事から、まだ日本語での検索ボリュームレンジは正確ではない可能性もありますので、あくまでも参考として捉えると良いでしょう。
●SEO難易度
対象キーワードのSEO難易度を0~100の間で評価した値です。この値が高いほどSEOの難易度は高くなります。
Google検索結果1位~10位に表示されるURLのPage Authority値とDomain Authority値からSEO難易度が算出されます。
このSEO難易度が高い場合、1位~10位に表示される競合Webページは高いPA値・DA値を獲得しており、強者がひしめき合うワードである事が分かります。
このSEO難易度はあくまでもMoz社が独自に算出したPA・DA値を元に割り出している為、必ずしもGoogleのアルゴリズムと相関があるとは言えませんが、親しい傾向値を出す事もありますので、参考として捉えると良いでしょう。
参考:Google検索順位と連動しているサードパーティーの評価指標はあるのか調査してみました
●キーワード機会(Keyword opportunity)
Moz社独自の指標と思われるこの「Keyword opportunity」とは、自然検索が獲得できるであろう集客可能性を示している値と考えられます。
最近のGoogle検索結果は単にWebページへのリンクを表示するだけでは無く、ニュースや電卓、飛行機の離発着時間、著名人の生年月日、アンサーボックスなど、検索キーワードに応じて検索結果そのものが変化します。
この為、自然検索では1位でも、ニュースやリスティング広告、GoogleMap結果などが検索結果情報に表示されると、実質5位の場所に表示されるケースもあります。
このSERPs変化を踏まえ、自然検索枠で上位表示した際の検索流入機会を評価したのが「Keyword opportunity」です。
Keyword opportunityは0~100の間で評価され、この値が高いほど自然検索枠で上位表示した際の集客可能性も高まる事になります。
上図は「ディズニーシー」の検索結果です。
検索結果上部には各アトラクションが表示され、右枠には営業時間や口コミ、来場者時間帯などのを表示したナレッジパネル、そして自然検索結果の間にニュースや画像検索が表示されます。
通常の検索結果よりも多くの情報が表示され、検索ユーザーも自然検索結果以外の情報も目にする事になり、たとえ自然検索枠で上位順位を獲得しても、ユーザーがクリックする可能性(CTR)は下がります。
この為、「ディズニーシー」のKeyword opportunityは14/100と極めて低く、たとえ自然検索で1位を獲得しても集客数に大きく結びつく可能性は低い事が分かります。
以上のように、主な集客を検索エンジン経由(自然検索経由)で考えているコンテンツの場合、SEOの難易度と合わせてキーワード機会も合わせて考慮すると良いでしょう。
●キーワードポテンシャル
SEO難易度や検索ボリューム、Keyword opportunityなど、対象キーワードに関する値を総合的に評価したのがこのキーワードポテンシャルです。0~100の間で評価されます。
このキーワードポテンシャルが低い場合は、集客の見込みが低い為、他のキーワードを選択する判断もできるでしょう。
キーワードサジェッション(関連キーワード)
調査対象キーワードに関連する他のキーワード案が一覧で表示されます。一部ビッグワードでは表示されるキーワード案が多い為、単なるGoogleサジェストワードだけではなく、Moz独自のキーワードデータベースからも候補ワードを参照していると思われます。
各候補ワードに関連性と検索ボリュームレンジが表示されており、他のワードを探す際、検索回数などの値にフィルターをかけて抽出できます。
SERP解析(SERP Analysis)
調査対象ワードの検索結果(SERP)に表示される1位~10位のURLの分析結果が一覧で表示されます。
Moz独自のPA・DA値と合わせて、各Webページ(ドメイン)が受けている被リンク数や被リンクドメイン数、Facebookのシェア数も閲覧できます。
調査対象ワードで上位順位に位置するWebページの多くが多数の被リンクやFacebookシェアを獲得している場合、SEO難易度(上位に位置するまでの時間)が高いと判断できます。
対象ワードを対策する前にこれら競合Webページが獲得している支持数(被リンク数など)を元に、順位上昇の可能性や上位順位の獲得にかかる時間を大まかにでも判断できるでしょう。
このSERP解析結果はCSV形式でデータをダウンロードできる為、候補となるキーワードの競合分析データとしても利用できます。
Mentions(Fresh Web Explorer)
Mentionsとは、調査対象ワードを含むWebコンテンツを掲載しているWebページの一覧と、Mention Authority値の推移をグラフで表示する機能です。
Mozのクローラー(RogerBot)が収集したWebコンテンツ内から、調査対象キーワードを含むWebページ時系列で直近数週間分表示します。
GoogleトレンドのWebコンテンツ版に近いでしょうか。Googleトレンドは検索語句の検索回数推移をグラフで表示しますが、Mentionsはコンテンツに含まれる回数(推移)を日別で表示します。
直近でどのWebページが調査対象ワードの事について書いているのか、などを調査できます。Mention Authority値は0~100で評価され、波及効果(influence)や他のMozMetrics(PA値など)が高いページ程、MA値も高くなります。
これから特定キーワードについて執筆する際は、MA値が高いコンテンツ(mentions)を調査し、競合がどの様な切り口でコンテンツを作成しているのかを参考にしてみると良いでしょう。
リスト機能
複数のキーワード調査結果をまとめたい場合、リスト機能を使うと簡単にグルーピングできます。
キーワード調査結果の右上にある「Create New List」をクリックします。
キーワードリスト作成画面が表示されます。
リスト名と調査対象ワード(複数)を入力します。
リストグループに入っているキーワードのMetricsなどが1つのダッシュボードに表示されます。
ページ下部にはキーワードが一覧で表示されます。
リスト内のキーワードから、フィルターをかけて見込みキーワードを抽出する事も可能です。
先にキーワード案をExcelなどで作成し、Keyword Explorerのリストに投稿する事で、面倒な検索VolやSEO難易度、キーワードポテンシャル値取得などが一括で出来ます。
フィルターをかける事で一定の集客ポテンシャルがあるキーワードのみを抽出する、といった使い方も出来そうですね。
MozのKeyword Explorerをどう使う?
SEOに重きを置いたKeyword Explorerは、検索エンジン経由の集客数を最大化した場合に大いに活躍してくれるツールだと思います。
Googleサジェストワードや検索Volだけでは無く、SERPの状況なども考慮してキーワードを選別する事できる為、SEOによる集客数の増加をより確度高く実施する事ができるでしょう。
ユーザーのニーズを分析した上で、このKeyword Explorerを使って自然検索経由の集客可能性を見極め、精度高くキーワード選択すると良いでしょう。