最近、マーケティング系情報サイトでバズワードの様に見かけるのが「リードナーチャリング」と「マーケティングオートメーション」という単語です。
先日、Hubspot社が上場した事によって更に注目されるようになりました。
しかし、日本国内では殆ど認知されておらず、実施している企業も数少ないのが原状です。
今回は、新しいマーケティング手法であるリードナーチャリングとマーケティングオートメーションに関して説明したいともいます。
リードナーチャリングとは?
リードナーチャリングとは、見込顧客一人ひとりに合った営業活動を行い、徐々に購入意欲を高めるマーケティング活動のことを指します。
潜在顧客層をWebやセミナーなどで獲得し、Webサイト上のコンテンツやメールマガジン、ウエビナーなど様々なコンテンツを通し顧客を育成していきます。
購入までの期間が長いB2B向けの商材や、高額商品の購入に効果的と言われている新しいマーケティング手法です。
なぜリードナーチャリングが必要なのか
顧客による情報収集がより高度になり、既存の営業活動では効果が得られにくい市場環境の変化がある為です。
上の例は過去と今の営業活動に対する見込顧客の反応を図化したものです。
ZMOTという消費者行動の変化によって、顧客は自ら欲しい商品やサービスに関する情報を調べ、営業を受ける前には既に購入する商品を決めているケースが増えています。
この流れは今後更に加速し、既存の営業活動だけでは今後売上を伸ばしていくのは非常に困難なっていくことでしょう。
顧客一人ひとりに合った営業活動
潜在顧客層を対象とした場合、立ちはだかるのが「背景・要望の幅の広さ」です。
既に購買意識が高い見込顧客は、「なぜ購入しようと考えているか」などユーザーの背景や要望を理解する必要はそれほどありません。純粋に商品を顧客に勧め、購入決定要素である価格を調整したりします。
しかし、インバウンドマーケティングなどが対象とする潜在顧客層は初回接触ポイントも様々であり、商品・サービスに興味をもったキッカケも多岐にわたります。
顧客一人ひとりが異なった背景や要望を持っている為、顧客を一括りにした1種類の販促活動では顧客の購入意思を育成する事はできません。
様々な顧客を対象としている場合は、顧客一人ひとりの要望や背景に合った営業活動が必要であり、これこそがリードナーチャリングともえいます。
マーケティングオートメーションとは
顧客による情報収集が大きく変化した今、顧客一人ひとりに合わせたOne to Oneマーケティングを行っていく必要性が高まっています。
しかし、対象とする顧客の数が増えれば増えるほど、一人ひとりに合ったマーケティングを手動で行うのは略不可能です。
上記は顧客一人ひとりの行動に合わせて営業活動の意思決定をする場面を描いたものです。
One to Oneマーケティングは全顧客に適切な営業活動ができるというメリットがあるものの、実行の難易度が高いというデメリットもあります。
上図の例の場合、見込顧客のアクセスしたページやホワイトペーパーのダウンロード履歴などを追跡し、ある程度自社の商品・サービスに興味関心が強いとユーザー態度で分かった時に、初めて対面の営業を行うといった判断をする必要があります。
これは人的に行う事はほぼ不可能とも言えるでしょう。
リードナーチャリングに特化した専用ツール
そこで活躍するのがリードナーチャリングに特化した専用ツール「マーケティングオートメーション」です。
マーケティングオートメーションとは企業の営業活動支援ツールであり、SFAの一つ前に位置づけられるリードジェネレーション&育成ツールです。
見込み顧客一人ひとりに適した営業活動を行うには顧客の行動履歴を全て把握し、つど適切な営業活動を行わなければなりません。
マーケティングオートメーションのほぼ全てに顧客シナリオの設計画面があります。過去の顧客データを分析し、それらをパターン化します。そのパターンに該当する顧客が新たに現れた際、予め設定されたマーケティング活動を自動的に行うのがマーケティングオートメーションの機能です。
↑Hubspotマーケティングオートメーションのシナリオフロー設定画面
画像出典:http://jp.hubspot.com/products/marketing-automation
プライベートDMPで精度高い自動化
収集できる全てのデータを一つのデータベースに格納し、それぞれを関連付ける事でマーケティングオートメーションを飛躍的に高めるプライベートDMPを構築できます。
過去のコンバージョンデータやコンバージョンパターンデータ、企業リスト、売上データなど個別に分かれていたデータを一つにまとめ利用できる様にする事で、マーケティングオートメーションの顧客判断材料が増え、より精度高い営業活動を自動化する事が出来るようになります。
まとめ
リードナーチャリングとは、見込み顧客の育成施策であり、顧客一人ひとり個別に対応していかなければ意味を成しません。
全て手動で対応する事は不可能ですが、マーケティングオートメーションというツールを利用する事で、One to Oneマーケティングを自動化し、現実的にリードナーチャリングを実行する事が出来るようになります。