「キーワード」は検索エンジンマーケティングのみならず、商品コンセプトやペルソナを定める極めて重要な要素です。
検索エンジンマーケティングでは、「キーワード」は「顧客の意思」であり、多数の優良顧客が検索するキーワードは参入競合他社数も非常に多いのが通常です。
参入する競合数が変われば、そのキーワードで集客する際の難易度も異なるため、難易度に応じて集客手法も変化しなければなりません。しかし「難易度」を定量的に計測する事は難しく、その多くがマーケッターの感覚で決められていました。
Webマーケティングツールを提供するMozでは、検索エンジンマーケティングでのキーワードの難易度(Keyword difficulty)を数値で測定するツールがあります。
今回はMozのキーワード難易度ツールを使って、対策したいキーワードの難易度を測定し、適切なマーケティング施策を選択する方法を紹介したいと思います。
Mozのキーワード難易度解析ツール
Mozとは、インバウンドマーケティングソフトウェアの事で、効果測定から競合分析までを全てワンストップで出来るサービスを提供しています。
月99ドルの有料サービスですが、初めの1ヶ月間は無料で利用できます。
それでは早速Keyword Difficulty分析ツールを使ってみましょう。
Mozにログインします。
まだIDをお持ちではない方はこちらからMozに登録しましょう。
ログイン後、右上にあるメニューバーの「Research Tools」をクリックし、「Keyword Analysis」を選択します。
SERPs上の難易度を調べたいキーワードをテキストエリアに入力します。
調査対象となる検索エンジンを「Google」「JP」と選択し、最後に「Check Difficulty」をクリックします。
解析が終わると上図の様にキーワードの対策難易度が表示されます。
キーワード「コンテンツマーケティング」の難易度は50%の様ですね。
Difficulty Checkは一度に400個まで行えます。
キーワード一覧ページで難易度をソートしながら確認することも出来ます。
以上の様に、MozのKeyword Difficulty toolを使う事で、検索結果ページの難易度を定量的に取得できます。
難易度数値の判断(見方)
さて、難易度を数値で取得できたものの、表示されている度数から、どの様に判断して良いのかはMozツール内にも詳しく説明されていません。
このツールを使って出せる結論や施策の方向性は様々ですが、例えばコンテンツマーケティングで対策すべき(できる)キーワードを見極める場合、キーワードの難易度が45%未満であるのが最善であると思われます。
過去、様々なキーワードをこのKeyword Difficulty Toolで見てきましたが、難易度が45%を超えると、そのキーワードの競合参入者数は大幅に増え、SEOの勝率も低くなります。
逆に難易度が45%未満であれば、純粋にコンテンツの品質で勝負できる領域であり、コンテンツマーケティングの勝負領域でもあると考えられます。
以下の例を見てみましょう。
キーワード「海外 wifi」と「海外旅行 便利アイテム」のキーワード難易度です。
ポケットwifi貸出業者にとって顕在顧客層である「海外 wifi」は1ヶ月に14000回以上も検索され、多数の顧客がそこに存在しています。また、リスティング広告の出稿社数も多く、Adwordsの競合性も「高」と表示されています。
当然、オーガニック検索に於ける競合参入社数も多く、難易度は「55%」と目安である45%を超えています。
海外向けwifiサービスの潜在顧客層である「海外旅行 便利アイテム」の競合性は「40%」と目安値を下回っており、集客勝率も見込めるキーワードである事が分かります。
検索ボリュームなどは顕在キーワードよりも少ないですが、顧客のニーズを創発するのに強みを持つコンテンツマーケティングであれば、その効果は十分に見込めるものでしょう。
以上の様に、各キーワードを抽出した上で、どの施策でそのキーワードを集客すべきかを測る指標として「キーワード難易度」を利用する事ができます。
さらに他のメトリックスも踏まえて精度高く難易度を分析したい場合は、「Full Report」を生成してみましょう。
上図の様に1位~10位に表示されるURLの各指標を一覧化してくれます。
まとめ
今回はキーワードの対策難易度を数値で表す「Moz Keyword Difficulty Tool」を紹介しました。
このツールを使えば、キーワードの難易度を公平に数値として把握する事ができ、施策の方法や方向性を決める材料として使う事ができます。
また、「難易度が高い」という境目は「45%以上」と考える事もできます。
45%以下であれば、コンテンツマーケティングによる記事ページでも十分に集客する事が可能でしょう。
しかし、今回紹介したMozツールはあくまでもツールでしかありません。
参考となる数値を機械的に出してはくれますが、必ずしもその数値はユーザーを考慮しているわけではなく、Googleのアルゴリズムに照らし合わせて数値を出すだけにしか過ぎません。
「そのキーワードはどの様な形で対策すべきか」を考える時、
最も重要な事は「その先のユーザーにどの様な情報を届けるべきか」になります。
キーワードを検索するユーザーを想像し、欲している情報を連想する事で、自ずと選択すべき施策方法が見つかるはずです。
その際の参考として今回ご紹介したMozツールなどを使ってみるのが、正しい使い方なのではないでしょうか。