Webコンテンツやブログ記事を作成していて気になることの1つに「文字数」があります。検索順位と文字数には関係があるのか、また、検索エンジンで上位表示されるためには、どれくらいの文章量を書けば良いのでしょうか?今回は、SEOに効果的なコンテンツの文字数についてご紹介します。
目次
1.文字数だけで上位表示は可能?
2.「ロングコンテンツはSEOに強い!」とされる理由
3.文字数を増やすうえでのポイント
4.記事が長いから良いわけではない!?
5.まとめ:SEOに効果があるのは「文字数」よりも「質」
文字数だけで上位表示は可能?
近年、オウンドメディアやキュレーションサイトでも6,000字や1万字というロングコンテンツを見ることが多くなりました。特に上位に上がってくるWebサイトの多くが文字数を増やしています。常に上位表示されるWikipediaは、人物個人についてでも1万字以上。グループ歌手や憲法、歴史についてでは2~3万字を超えるものもあります。
しかし、現在Googleの評価基準に文字数の規定はありません。評価されるのは、「ユーザーが求めている情報かどうか」「有益な情報を提供できているか」などの内容です。例えば、Twitterでは1回のツイートで投稿できる文字数は140字ですが、検索エンジンで上位に上がってくる場合があります。つまり、大切なのはどれだけ「質の良いコンテンツ」であるかということです。
「ロングコンテンツはSEOに強い!」とされる理由

スマホやタブレットなどモバイル端末の普及で、ユーザーは縦のスクロールが苦ではなくなっています。しかし、そこまで長いコンテンツが評価されるのはなぜなのでしょうか?
キーワードや共起語が多い
ロングコンテンツがSEOにとって有利だといわれる大きな理由は、ロングテールアクセスが増えるという点です。コンテンツの文字数を増やすと単語数も多くなり、短い文章よりもキーワードや共起語を多く含むことができます。単語数を増やすことでいくつかのキーワードを組み合わせた複合ワードが増加し、結果、ロングテールアクセスが増える可能性があるのです。
情報の網羅性がある
コンテンツ内で記載する内容が多くなれば、その分ユーザーが求めている情報に当てはまりやすくなります。ユーザーはそれぞれ違った目的で検索しているため、全ての人を対象にしたコンテンツは作ることができません。例えば、「SEO」というビッグワードで検索したユーザーが「SEO対策」について知りたいのか、「SEOとは」という基礎知識を求めているのかは、人それぞれ違います。
しかし、ユーザーの検索意図に当てはまりそうな情報が広く盛り込まれていれば、そのコンテンツを見ただけで問題を解決することができます。ニーズに応えられる多くの情報を盛り込むためには、必然的にロングコンテンツになってしまうということです。
画像や動画では評価されにくい
ユーザーにとってわかりやすいコンテンツであれば、画像や動画でも良いはずです。では、なぜ内容重視にも関わらず、文字数を増やすのでしょうか?
Googleのアルゴリズムでは、画像の中の文字や人の表情などを認識し、その情報を言語化して評価しています。コンテンツのトップ画やキャプチャを変更しただけで順位に変動があるのはそのためです。しかし、画像の意味や動画内容の判断・評価は完璧ではありません。そのため、画像や動画でわかりやすくしつつも、文字での解説やキーワードが重要視されるのです。
ページの滞在時間
ユーザーニーズを満たしていることが前提になりますが、文字数の多いコンテンツはそれだけユーザーのぺージ滞在時間が長い傾向にあります。Googleは、いまのところ滞在時間を検索順位づけの評価基準にはしていません。ただ、ページ品質やアルゴリズム改良の参考にすることはあるそうです。
直接的なSEO効果は見込めなくとも、滞在時間が長いコンテンツは、必然的に直帰率が低く、内部リンクをたどるサイト回遊率も高くなります。滞在時間が短いまま放っておくのは賢明な選択とはいえません。
低品質なコンテンツ
2011年、Googleが行ったパンダアップデートは低品質なサイトの掲載順位を下げ、同時に良質なサイトの掲載順位をより適切に評価することを目的としてリリースされました。
Googleは以下のようなコンテンツにペナルティを与えて、サイトの掲載順位を下げることにしています。
・ユーザーに価値をもたらさない
∟自動生成されたコンテンツ
∟独自性、専門性がない
∟広告ばかりが目立つ
・他Webページからコピー、複製されたようなコンテンツ
・サイト内他コンテンツと内容が重複している
記事の文字数が極端に少ないと、上記の、たとえば「ユーザーに価値をもたらさない」コンテンツだとみなされてしまう可能性があるのです。
ですが、そもそも、Googleの評価する「独自性がある専門的な記事」を書こうとすれば、文字数がかさんでいくのは当然のことかもしれません。
文字数を増やすうえでのポイント
1ページ1キーワード
1ページ1キーワード、あるいは1記事1テーマを守るようにしましょう。
ひとつのページにメインとなるキーワード(テーマ)が二つ以上含まれていると、ある特定の検索意図をもってページを訪れたユーザーを混乱させてしまう可能性があります。一方で、Googleもどちらを記事のキーワードにしてよいのか判断できず、SEO的な評価が分散してしまいかねません。
もしも「ダイエット 運動」というキーワードで記事を書く場合、運動以外のダイエットに関するテーマは最小限に抑えるべきです。「ダイエット サプリ」について言及したいのであれば、ほかのページで書くようにしましょう。
可読性をあげる
ただ文字数を増やすのは、NGだということはおわかりのことと思います。ユーザーニーズにこたえるようにクオリティを高めながらも、さらに記事の読みやすさ見やすさにもこだわっていきましょう。
誤字脱字、意味の通じにくい文章、目が疲れてしまうようなぎっしり詰まった行間、これらはユーザーが離脱してしまう原因として考えられるものです。誤字脱字や文章の間違いは、複数回校正を重ねることで減らすことができます。行間が詰まっていたり、文字だけがずらっと並んでいるように思われたら、スペースを挟むなり画像を載せるなりして対処しましょう。
被リンク獲得を目指す
読み応えがありユーザーニーズを満たした可読性の高いコンテンツは、SNSでシェアされやすい傾向にあります。残念ながら、FacebookやTwitterなどのSNSにおける拡散にはSEO効果はないというのが定説です。とはいえ、検索エンジン並みのアクティブユーザーを誇るSNSプラットフォームの宣伝効果は凄まじく、一度爆発的にシェア・拡散されれば想像以上に多くの人の目に触れることでしょう。その結果、個々のサイトでの被リンクを受ける可能性が高まります。ナチュラルリンクは検索ランキングの評価に大きな影響があるので、つまりSEO効果につながるのことになります。
やみくもにただ文字数をただ増やすだけでなく、被リンク獲得につながるような、読み応えのあるロングコンテンツ・記事にしていくよう心がけましょう。
競合コンテンツを調査する
コンテンツを制作する場合、必ず行うのが競合調査です。これは文字数を増やすうえでも、非常に参考になるプロセスといえます。
対策したいキーワードで上位表示されている競合他社のサイトやページを様々な手段を使って調査・分析しましょう。少なくとも検索結果の1ページ目に表示される競合サイトやページは読み込むようにしてください。同じ対策キーワードから、どんなテーマ、どんな文章、どんな展開でコンテンツを作り上げているのか参考にするのです。
検索結果の上位に表示されているということは、すなわちユーザーにもGoogleにも評価されているお手本にすべき記事だということです。学べることは多いはずなので、どんどん吸収していきましょう。
競合がどれくらいの文字数でコンテンツを作り上げているか、ということもひとつの指標になります。しかし、たとえ検索結果の1ページ目だけ調べようと思っても、ひとつひとつのページの文字数を数えていくのは現実的ではありません。時間や工数を無駄にしないためにも便利なツールの使用をオススメします。
文字数をチェックするツールは数多く出回っておりますが、ここでは、文字数以外にも様々な情報を抽出できる、keywordmap(キーワードマップ)の「競合コンテンツ分析」機能を紹介します。

対策したいキーワードを入力して順位データの取得をクリックします。(なお、キーワードは最大で200個まで同時に調査することができます。ここでは「京都 観光」に関するキーワードを50個調査。)
すると調査した結果をExcelデータとしてダウンロードすることができます。

上図のように1位から10位までの各コンテンツの文字数、平均文字数がキーワードごとに一斉に抽出されます。また、文字数だけでなく各上位コンテンツのURLや獲得しているキーワード、想定流入数も同時に抽出されます。また、別シートには上位コンテンツ(10位まで)のタイトルや見出し(h2~h4)も表示されているので、この機能だけで競合ページをある程度網羅的に調査・分析することが可能です。
このようにkeywordmapの「競合コンテンツ分析」機能を活用すると、競合がどれくらいの文量で対策しているのか、テーマは何か、そもそも勝ち目はあるのか、上位表示された場合どの程度の流入を見込めるのか、という貴重な情報が簡単に手に入ります。
なお、競合のキーワード対策について調べる場合は、こちらが参考になります。あわせてご覧ください⇒【SEO】競合サイトの対策キーワードを調査してみよう
記事が長いから良いわけではない!?
ある程度の文字数がある方がSEOに効果的ですが、長ければ良いわけではありません。一般的に、短いコンテンツよりも長いコンテンツの方がSEOに強く評価されやすいというだけで、短いコンテンツでもユーザーにとって内容が良いと判断されれば、もちろん上位表示されます。
例えば、弊社Webサイトの「Webメディアの違い知ってる?Webのメリットと種類の特徴を理解しよう!」の記事では、2,000字ほどの文字数ですが、2016年12月1日時点「Web メディア」のキーワードで3位に上がっています。
(2016年12月1日時点における事例です。2019年6月現在、検索結果は変わっていますのでご注意ください)

「コンテンツ作成者は必ず知っておきたい!検索クエリに対するアンサー度とは何か?」の記事は1,700字程度ですが、「検索クエリ アンサー」のキーワードで4位という結果です。
(同じく、こちらも2016年12月1日時点における事例です。2019年6月現在、検索結果は変わっていますのでご注意ください)

しかし、気をつけるべきなのは、ユーザーは全ての内容を最初から読んでいるとは限らないということです。ロングコンテンツの場合、自分が求めている内容の部分だけしか読んでいないという可能性があります。脈絡がなくただ長いだけのコンテンツでは、せっかく優良な情報を提供していても最後まで読まれる確率が低くなってしまいます。
ロングコンテンツを作成する際は、気になった見出しにとべる目次機能を上部につけたり、テーマごとにページを増やしたりして、ユーザーが読みやすい工夫をしましょう。
SEOに効果があるのは「文字数」よりも「質」
コンテンツ作成時の基準の1つとなる文字数ですが、あまりこだわる必要はありません。長くするために同じ内容や表現が繰り返し出てきたり、支離滅裂な文章になってしまったりするなら、簡潔に結論を提示したほうがユーザーにとってわかりやすく評価もされやすいでしょう。SEOの効果を考える場合は、
・競合コンテンツの調査分析
・ユーザーの検索意図に則したキーワードや共起語の調査
・1ページ1キーワード
・可読性
などに留意して、Webサイトの構造など基本的なSEO戦略を盛り込み、ユーザーニーズに応えるようなコンテンツを作成しましょう。