2014年8月にGoogleが正式にHTTPSを検索結果ページのランキング要素に取り入れると発表しました。
参考:HTTPS をランキング シグナルに使用します
大半のWebトラフィックを握っているGoogleが発表した事により、一時は「HTTPSを導入していないとGoogleから評価されない」と言った噂も流れたほどです。
又、最近ではSSL証明書の販売会社からの「Googleの評価が上がる」と言った営業メールが多数届きます。
しかし、Google社の発表を注意深く読んでみると下図の記載があります。
※出典:HTTPS をランキング シグナルに使用します
上記もある通り、あくまでもGoogle社はHTTPSをごく一部の評価項目に利用しているだけであり、最も重要なのはコンテンツと記載しています。
当然と言えば当然です。HTTPSの導入にはコストがかかります。仮にHTTPSを導入した事でGoogleからの評価が上がるのであれば、どんなに良いコンテンツを提供してもSSL証明書を買うお金が無いWebサイトはGoogleから評価されなくなります。
これでは、お金があればたとえコンテンツが良くなくともGoogleから評価を得る事になり、頑張ってコンテンツを作成しているがSSLは導入していない所はGoogleから評価されない事になります。当然、Googleが創業当時から掲げている「全ての情報を整理する」には遠く及ばない結果になります。
しかし、ユーザーのセキュリティ向上という意味では導入するべきでしょう。HTTPS化する事で、ブラウザとサーバー間が暗号化され情報を安全に扱う事ができます。ユーザー保護の観点からは導入は積極的に進めていくべきでしょう。
以上の状況からHTTPSの導入はほぼ必須化しています。では、実際にどの位のWebサイトがHTTPSを導入しているのでしょうか。
今回は、実際に複数のWebサイトのHTTPSの導入率を調べてみました。
HTTPSの調査方法
複数のキーワードを検索エンジンで検索し、1位から50位に表示されるURLのHTTPS導入率を調べてみました。
キーワードはYahoo!の急上昇キーワードから59個をピックアップし、検索結果に表示されるURLを調査しました。
調査結果
調査合計のHTTPS導入率
1位~50位までのHTTPS導入率です。
合計では導入率が5.6%に留まっています。1ページ目の導入率は7%であり、5ページ目は2%と相関性はあるように見えます。
しかし、ほぼ全ての順位範囲(ページ目)に於いて9割以上がHTTPSを導入していない結果が出ました。また、1ページ目でも92%はHTTPSを導入していないにも関わらず上位に位置しています。
順位毎のHTTPS導入率
又、1位~20位まで順位毎にHTTPSの導入率を調べてみましたが、順位の相関性は殆ど無い様に見えます。
順位毎の導入率をグラフにしてみましたが、X軸の順位とY軸の導入率には相関性は見られません。
調査カテゴリ毎のHTTPS導入率
Yahoo!の急上昇キーワードには、キーワードカテゴリ毎に当日の急上昇ワードを表示しています。
人名やピックアップなどではHTTPS導入率が異なるか見てみました。
人名のみが1ページ目、3ページ目で10%近い導入率を示していますが、強い相互は見られません。
HTTPS導入上位10ドメイン
HTTPSを導入しており、調査キーワードで100位以上に表示される上位10ドメインは下記の通りです。
・twitter.com
・ja-jp.facebook.com
・www.facebook.com
・hashtagsjp.appspot.com
・plus.google.com
・www.youtube.com
・socialnews.rakuten.co.jp
・itunes.apple.com
・antenna.jp
・www.dic.go.jp
こう見ると、大手メディアサイトはやはりHTTPSを導入しており、また検索結果に表示される確率も高い見たいです。
まとめ
今回は、キーワード数59個、対象URL数は2590個と、Web全体を調べるには母数が少ないですが、それでも全体の1割以下しか今もHTTPSを導入していない事がわかりました。
又、HTTPSの導入と検索順位の相関も殆ど見られませんでした。
最後に
未だまだ全体的な導入率は1割以下と低い様です。
又、Googleがランキング要素に取り入れたとしても、その影響力は今のところ殆ど高く無く、Google公式ブログにも記載があった通りより良いコンテンツを提供しユーザーに支持を得るサイトがGoogleでも評価される構造は変わっていないようです。
ユーザー、顧客を理解し、より良いコンテンツを作成し、提供していく事が今後も求められていくのでしょう。