リスティング広告は運用力が最も試されるネット広告であり、運用担当者のスキルや方針でその効果も大きく異なります。しかし、運用の改善には膨大な工数と知識・経験量が必要であり、誰にでも直ぐに出来る訳ではありません。
代理店任せで運用していたり、前任者が作ったアカウント構成をそのまま運用しているのが大半では無いでしょうか。
今回は、誰でもサクッと出来るリスティング広告の改善手法を紹介したいと思います。数分で出来る施策をピックアップしていますので、ぜひご自身の責任下でやってみてください。
どうすればリスティングの効果は改善するの?
今回は、リスティングの効果を「CPA」として捉えてみたいとおもいます。
CPAを構成する要素は主に「広告費」と「コンバージョン数」の2つになります。
広告費を上げず、コンバージョン数を増やせばCPAは下がり費用対効果は高くなります。
逆に広告費を下げ、コンバージョン数を以前と維持すれば、これも結果的にはCPAを下げる結果となり、費用対効果を高める事になります。
コンバージョン数(収益)の最大化を重点に置くか、それとも広告の能率を上げるかによって施策や方針が異なりますが、両者共に「無駄な費用は削る」事には変わりありません。
今回は、リスティング広告に於ける不要な広告費の削減に注目し、改善手法を紹介します。
除外キーワードの設定
全く見込みが無いユーザーに対して広告の表示を遮断する方法です。例えば、批判的なキーワードで検索するユーザーや、他社商品を探しているユーザー等がこれに該当します。
除外キーワード案:
・他社名
・批判的なワード
・その他ネガティブなワード
除外キーワードの追加方法
Google Adwordsの場合
キーワードページの下部に除外キーワードを設定するリンクが表示されています。
広告を表示しないキーワードを追加します。
Yahoo!スポンサードサーチの場合
メニューバーの ツール>対象外キーワードツール を順にクリックします。
対象外キーワードを追加する先のキャンペーン・広告グループを選択し、キーワードを追加します。
これで完了です。今までコンバージョンの見込みが略無いユーザーに対しても広告を表示し続けていた事をこれで防ぐ事が出来ます。
検索クエリから除外キーワードを探そう
検索クエリ(もしくは検索語句)とは、実際にユーザーが検索した時のキーワードの事です。
部分一致やフレーズ一致など、入稿キーワードと検索キーワードが必ず一致しなくとも広告が表示される様な場合、顧客対象とはならないユーザーにも広告が表示される場合があります。
検索クエリデータを使い、いままでユーザーが検索した時に打ち込んだキーワードを一つ一つ精査し、不要と思われるキーワードを除外キーワード設定する事で、より正確に不要なクリックを避ける事ができます。
又、検索クエリは効果の高いキーワードも探しだす事が出来ます。入稿はしていなかったが部分一致であるキーワードがヒットしており、効果が非常に高いケースがあります。
それら未知の効果が高いキーワードは、別途完全一致で入稿したり、もしくはインプレッション数を上げる為に別のキャンペーンに差し替えて運用したりと、よりコンバージョン数を増やすためのキーワードを検索クエリから探し出す事も出来ます。
Google Adwordsの場合
キーワード>詳細>検索語句>すべて をクリックします。
すると検索クエリ(検索語句)が表示されます。広告表示が不要と思われるキーワードにチェックを入れ、「除外キーワードとして追加」をクリックします。
コンバージョン率が多く、入稿キーワードとして登録されていないキーワードは「キーワードとして追加」をクリックし、入稿します。
Yahoo!スポンサードサーチの場合
キーワード>検索クエリを表示>すべてのキーワード を順にクリックします。
Adwordsと同じく、広告表示が不要と思われるキーワードにチェックを入れ、「対象外キーワードとして追加」をクリックします。
広告効果が高く、まだ入稿していない優秀なキーワードは「キーワードとして追加」をクリックし、入稿します。
広告配信先の地域設定
リスティング広告を配信する地域を限定する事が出来ます。
ユーザーのIPアドレスからアクセス元地域を分析し、設定した配信地域に該当する場合のみリスティング広告が表示される仕組みです。
ビジネスモデル自体が地域を限定する場合にその効力を発揮します。
Google Adwordsの場合
キャンペーン>キャンペーン設定地域 を順にクリックし、配信先地域を選択します。
Yahoo!スポンサードサーチの場合
Adwordsと同じく、キャンペーンの設定ページにて[地域]をクリックし、配信先地域を選択&設定します。
最近ではかなり詳細な地域まで選択出来るようになりました。ユーザーのアクセス元IPアドレスから地域を判別している為、精度自体は確実ではありませんが、大枠な限定配信は可能です。詳細な地域を設定する事で、機械損失が発生する可能性があるので、都道府県レベルで設定を留め、impやクリック数、CV数の変動を見ながら徐々に地域を絞って調整していく事をお勧めします。
検索連動型に集中する
デフォルトでは、検索結果ページに表示される広告「検索連動型広告」と、他Webページのコンテンツ内容に連動して表示する「ディスプレイ広告」の2つが配信先として設定されています。
大半の場合、コンバージョン率は検索連動型広告の方が高い傾向にあります。特に広告配信戦略が無い場合は、効果が出やすい箇所に決められた予算を注力し、コンバージョン数の最大化を図ります。
配信先の変更方法
Google Adwordsの場合
キャンペーン>キャンペーン設定>タイプを順にクリックし、「検索ネットワークのみ」を選択します。
これにより、検索連動型広告対してのみ広告が配信される事になります。
Yahoo!スポンサードサーチの場合
キャンペーン設定>広告掲載方式の指定>検索のみ をクリックします。
以上によって効果が高い検索連動型広告に全ての予算をつぎ込むことが出来、手前のコンバージョン数最大化により注力できます。
尚、、配信先ネットワークによってコンバージョン数や費用対効果が大きく異なるのか否かを確認の上、配信先の限定をお勧めします。
まとめ
今回は、除外キーワードの設定、配信先地域、配信ネットワークの設定方法を紹介しました。
リスティング広告は設定や配信方法の切り口が膨大にあり、それに伴い改善方法も多数あります。
専門的なコンサルタントでしか上手く使い込めないような管理画面に見えますが、クリック数回で効果を大幅に改善できる設定もあります。
まずは触ってみることをお勧めします!!