2019年7月14日付近にGoogle検索結果で大きな順位変動がありました。国内外の様々なSERPs変動監視ツールで確認されています。原因はGoogleによる検索アルゴリズムのアップデートである可能性が考えられます。
検索アルゴリズムの変更が疑われ、それに伴うSERPs(検索結果)の変動が確認された場合、多角的に情報を収集し、自社サイトに影響はあるのか、あるとすればどのような影響なのか推測することで、対応策を練る必要があります。この対応を正確かつ早急に行うことが、SEO・SEMの効果を最大化するためには必要不可欠であると言えるでしょう。
では、2019年7月14日付近に発生したSERPs変動と、その原因だと考えられる検索アルゴリズムのアップデートで、Webサイトにどんな影響があるのでしょうか?
そもそも、このアップデートは何を対象としているのでしょうか? 2019年3月および、6月に行われたコアアップデートと何か関係は? それとも何かまた別のアップデート?
今回の記事は、これらの疑問に対して様々な角度から調査・分析を行ったアルゴリズムレポートとなっています。
Webマーケティング担当者必見の内容ですので、ぜひご覧いただいて参考になさってください。
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※なお、当記事で紹介している内容は弊社独自の見解によるものです。情報の正確性、有用性などについて一切の保証を与えるものではありません。 あくまでも参考としてご覧ください。
目次
〇 発生SERPs変動概要
〇 海外SEO情報:「Update Marverick」
〇 Keywordmapデータ集計
〇アルゴリズム変動影響事例
発生SERPs変動概要
7月14日付近に発生、その後、SERPs(検索結果)の不安定な状態が続いた一連の順位変動に関して、概要は以下の5点になります。
❒ 2019/7/14からのSERPs変動はアルゴリズムアップデートの可能性が高い(通称:Update Maverick)
❒ アップデートは特定の領域やサイトではなく、Google検索上の“異例”のヒットページをランキングから排除している可能性がある
❒ GoogleBotによる異常なクローリングがアップデート前から続いているため、今後も順位変動が続く可能性がある
❒ 大手ニュースメディアが好影響を受け、美容・ファッション・ライフスタイルメディアがマイナス影響を受けている傾向
❒ 2019/3/14と2019/6/3のCore Updateの影響と関連している可能性が高い
Keywordmap(キーワードマップ)によるSERPs変動の観測
弊社のWebマーケティング調査・分析ツールであるKeywordmapの「SERPs変動」機能における観測。
(計測期間は2019/5/24~2019/7/23)
2019/7/14(日本時間)に平均順位変動値4.0を超えるSERPs変動を観測。検索結果に大きな動きが生じました。
その後、7/17から7/19にかけて、不安定な検索順位の状態が続いています。
その他ツールによる観測
海外サードパーティのSERPs変動計測ツールでも、検索結果上の変動が確認されています。
(出典:MOZCAST、Algoroo、RankRanger、SEMrush)
MOZCASTやRankRangerなど、海外SERPs変動計測ツールでは、7/12から7/18 (米国時間)にかけて大きな変動を計測しています。
ただ、海外では7/18の方が7/14付近より大きな変動を計測しているケースが多いようです。
海外SEO情報:「Update Maverick」
通称:Update Marverick
Webマーケティング情報について扱う海外サイトWebmasterWorldのSEOフォーラムでは、今回のSERPs変動はGoogleによる検索アルゴリズムのアップデートの影響であるとの見解が、早い段階で数多く見受けられました。
なお、SERPs変動の前日にリリースされたTop Gunの映画予告から、当該アップ―デートは「Update Maverick」と名付けられ、海外SEO情報メディアでは完全に定着、広く流通しているようです。
(出典:SEARCH ENGINE ROUNDTABLE 、Webmaster World)
なお、この「Update Maverick」ですが、検索結果上“異例”とされるヒットページのランキング排除ではないかと、Seach Engine RoundtableやWebmasterWorldでは取り上げられています。
なぜ“異例”なのか?
これまで検索上位を獲得していたあるページが圏外に下落し、クエリによっては領域の大手サイトが上位を占有していることから、
大規模ブランドの中に参入しているローカルブランドのような“異例” が、Maverickの意味と紐づけられているようです。
つまり、「Update Maverick」においては、“異例”とされる検索結果・ヒットページが排除されているのではないかと考えられます。
“異例”排除の事例
日本国内では、「FX」の上位検索結果を維持していたfx-cubeなどの非金融サイトが大手金融サイトに押し出されている、という状況が今回の検索アルゴリズムアップデート(Update Marveric)の影響に当てはまると思われます。
なお、これはYMYL領域の変動やE-A-T評価の強化とも関連している可能性があります。
以前、Googleで「FX」と検索すると、fx-cubeやmitsuwasouといった初心者向け・入門者向けサイトが上位検索を獲得していました。
ところが、アルゴリズムのアップデート後は、jibunbankやrakuten-bankといった、大手金融機関が上位を占有しています。
⇒異例に上位を獲得していたWebサイトが、Update Maverick後に順位が急落。異例排除の実例として考えられます。
【SEOポイント】
2018年8月1日に行われたMedic Update(医療系および、ヘルスケアに関するWebサイトに影響を及ぼしたコアアップデート)や2019年6月のコアアップデートによる流入の影響を受けていながら、その後に順位が変動していないキーワードがあれば、改めて確認するようにしてください。Update Maverickによって、何らかの影響を受けている可能性があります。
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Update Maverickの影響領域
今回の検索アルゴリズムアップデート(Update Maverick)によって影響を受けたのは、どのようなキーワード領域なのでしょうか?
RankRanger CMOのOberstein氏がTwitterに投稿している一時報告では、領域別の変動傾向が明らかではないため、必ずしもYMYLに特化したアップデートではないと推測しています。
(出典:Mordy Oberstein on Twitter)
YMYL領域に特化していないとはいえ、2019年3月14日と2019年6月3日のアップデートと同様、ヘルスケア・美容・金融といったYMYL領域への影響度はやはり高いのではないかと想定されます。
度重なるSERPs変動と、その都度、少なからずYMYL領域が影響を受けている点を考慮すると、GoogleはYMYL領域にどのような評価を下すべきなのか、という明確な判断基準がまだ定まっていないように考えられます。
以下の図は、あるYMYL系サイトの獲得キーワード数と想定流入数の推移ですが、一定の期間に増減を繰り返している様子がうかがえます。
Update Maverickの確認事項:GoogleBotのクローリング
アップデート前に、GoogleBotのクロール数が異常に上がっているという事象が発生しており、RankRangerのOberstein氏もbot回遊率の異常値をTwitterで取り上げています。
【SEOポイント】
Google Search Consoleでクロール数・クロール化率に異常が発生しているかをチェックすることで、サイトがUpdate Maverickに影響を受けた可能性があるかを確認しましょう。
Keywordmapデータ集計
弊社ツール、Keywordmapによって集計されたデータを公開します。
ヒットキーワード数変動ドメイン
アップデート前後である2019年7月12日と7月15日を比較した、SERPs上で獲得しているキーワード数(ヒットキーワード数)の変動トップ20、ワースト20のデータが以下の図になります。
特筆すべきは、diamond.jpやnews.biglobe.ne.jpといった大手ニュースメディアサイトが好影響を受けており、kirari-media.netやmery.jpなど美容・ファッション・ライフスタイルメディアがマイナス影響を受けている、という傾向でしょう。
また、さらに以下は観測日を7月12日と7月19日に変えて調査した結果になります。
高い順位変動値が計測された7/19前後で比較した際も、excite.co.jpの大手ニュースメディアが好影響、
jisin.jpの女性向けライフスタイルコンテンツを掲載しているメディアがマイナス影響と、7/14前後の変動と同じ傾向にある様子がうかがえます。
【SEOポイント】
自社が対策しているキーワード順位はもちろんのこと、対策キーワードの検索結果で、新たに大手ニュースメディアが参入しているかどうかを確認するようにしましょう。
大手ニュースメディアが7月12~15日以降、新たにSERPs上に食い込んでいた場合は、同キーワード領域が今回のアップデートの影響を受けている可能性が考えられます。
アルゴリズム変動影響事例
Google検索アルゴリズムのアップデートによるSERPs変動で、大きな影響を受けたと考えられるサイトの事例紹介です。
今回のUpdate Marverickの影響をマイナスの場合とプラスの場合、両者に分けることで実際のサイトを調査・分析しています。
また、チェックすべきポイント、どのような対応をとるべきかなどについても言及しています。
記事の続きとアルゴリズム変動事例については、以下から無料でご覧いただけます。ぜひ一読していただいて、Webマーケティングにお役立てください。