Google検索からのトラフィックが今なおWebサイト運営に於いて重要な現在、GoogleのペナルティはWebサイトの死活問題となります。
ペナルティと言っても様々ですが、よく耳にするのが被リンクに関連するペナルティです。2014年のPaydayloanアップデートにより、世界中で多くのWebサイトが順位を落とした事は記憶に新しい事だと思います。
上のグラフはあるWebサイトのGoogleアナリティクス画面です。このWebサイトはGoogleのポリシー違反となるリンクを受けていた為、突然手動によるペナルティを受け、ある日を境に検索経由のトラフィックが急激に下落しました。
被リンクの精査およびペナルティの解除により検索経由の流入が復活。それ以降はコンテンツの制作にフォーカスし、現在は安定してトラフィックを獲得し続けています。
今回は被リンクを精査する段階で必要となる被リンク一覧データの作成方法を説明したいと思います。複数のツールを使って被リンク一覧を作成してみましょう。
被リンクデータ収集の流れ
管理しているWebサイトが受けている被リンク(外部リンク)を精査する為には、受けている被リンクの一覧データが必要です。
サーチコンソール(旧ウエブマスターツール)では、Googleが認識している被リンクをダウンロードする事ができますが、そこからダウンロード出来るリンクはサイトが受けている全被リンクの一部だけであり、Googleが認識しているリンク全てをダウンロードする事ではありません。
サーチコンソールの被リンク一覧だけを手がかりに被リンクの精査をした所で、悪化要因となっている外部リンクを確実に否認・削除依頼する事はできません。
そこで利用するのがサードパーティの被リンク調査ツールのデータです。
Ahrefs.comなど独自のWebクローラーを保有し、世界中のWebサイトの被リンクを日々収集しています。このデータを用いて、より精度高い外部リンク一覧表を作成します。
複数の被リンクデータリソースからリンク一覧をダウンロードし、マージする事でGoogleが認識している被リンク一覧表を作成します。
それでは、下記にて各ツールを利用した被リンクデータのダウンロード方法を説明したいと思います。
サーチコンソール(旧ウエブマスターツール)
Googleのサーチコンソールでは、管理しているWebサイトが受けているリンクを一覧データとしてダウンロードできます。
先ず見る場所であり、GoogleBot(アルゴリズム)が認識している被リンク群と近いデータをダウンロードできる場所でもあります。
検索トラフィック > サイトへのリンク > 詳細を順にクリックします。
ダウンロードボタンが3つ表示されます。
「最新のリンクをダウンロードする」をクリックし、サイトが受けている被リンクデータをCSV形式でダウンロードします。
受けているリンクの数が非常に大きい場合、サーチコンソールから1度にダウンロードできるリンク一覧データには限りがある様です。サンプリングされている傾向があり、1回のダウンロードではGoogleが認識しているリンク全てをダウンロードする事はできません。
一定期間・時間をおいて、再度ダウンロードする事で、更に別の被リンク一覧をダウンロードする事ができます。
やや手間がかかりますが、大規模サイトの場合は数日間掛けてダウンロードする事で、より正確な被リンク一覧をダウンロードできます。
Ahrefs.com
被リンク調査ツールのAhrefs.comからも被リンク一覧データをダウンロードできます。
以前の記事で記載した通り、Ahrefs.comは被リンクインデックスデータを他のサービスより多く保有している傾向にあります。サーチコンソールでは出てこない被リンク一覧をAhrefs.comから抽出する事もあるほどです。
では、Ahrefsから被リンク一覧をダウンロードして見ましょう:
ahrefsにアクセスし、自社サイトのドメインを入力します。
サイト全体の被リンクを精査する場合は、「*./domain/*」をプルダウンメニューから選択します。サブドメインは検索窓に入力したURLを指定する場合は「domain/*」を選択します。
左メニューの「Inboud Links」の Link をクリックします。
被リンクが表示されたら、全てのリンクをダウンロードすべく「All Links」を選択し、「Export」をクリックします。
「START EXPORT」をクリックすると被リンク一覧のCSVデータが生成されます。「Send e-mail when…」にチェックを入れると、生成が完了した段階でその旨を伝えてくれるメールが届きます。
Majestic
Ahrefsと同じくmajestic12という独自クローラーを保有するMajestic社の被リンク調査ツールです。
先ず、自分がWebサイトの所有者である事を証明します。Verified Domainsにアクセスし、「link the account」をクリックします。
対象となるWebサイトのサーチコンソールアカウント(Googleアカウント)でログインし、「承認する」をクリックします。
サーチコンソールとの紐付けが完了すると、管理しているWebサイトが一覧で表示されます。被リンクデータをダウンロードしたいドメインの歯車アイコンをクリックし、「Create a report」をクリックします。
先ず、Majesticのインデックスタイプを選択します。出来る限り多くの被リンクデータをダウンロードしたい場合は、「Use Historic Index」を選択します。これはMajesticが過去検知した全ての被リンクデータ(index)が対象となります。したがって、今はもう削除されている外部リンク一覧も多く紛れ込む可能性があります。
「Use Fresh Index」の場合、Majestic12が90日間の間に検知し、index化したデータの中から被リンク一覧データを生成します。最新のリンクデータであり、今現在の状態と近いリンク一覧データがダウンロードできるメリットがありますが、Majestic12がクローリングしきれなかったリンクは見落とす事になります。
Webサイトの規模や運用履歴、被リンクの増減状態を考慮して、index typeを選択します。
最後にReport Typeを選択します。全てのデータをダウンロードする場合は、「Advanced report」を選択します。
OpenSiteExploer
被リンク調査ツールの代名詞的ツールであるOpenSiteExploerからも、ペナルティ精査用のリンク一覧データをダウンロードできます。
最近のMoz社は、低品質の被リンクを自動的に検知&仕分けする機能をOpenSiteExploerに追加しており、よりデータを元に被リンク精査が出来るようになりました。
参考:被リンクペナルティの解除もコレで解決!?Mozの新機能「SpamScore」
Moz.comにログインし、メニューからOpenSiteExploerを選択します。
対象となるWebサイトのURLを入力し、「search」をクリックします。
サブドメインを超えてサイト全体の被リンクをダウンロードする場合は、「Target」を「this root domain」を選択します。又、外部リンクのみをダウンロードする場合は、「Link Source」を「only extrnal」を選択します。
一覧のデータをCSVでダウンロードするには右下の「Request CSV」をクリックします。これにより、対象サイトの被リンク一覧CSVの生成がバックグラウンド上で始まります。
サイト規模や被リンクの量にもよりますが、約数分でCSV生成が完了し、その旨を伝えるメールが送られてきます。
メール内にあるダウンロードリンクをクリックし、一覧CSVデータをダウンロードします。
Webmeup
日本では認知度は低いですが、Webmeupも被リンクデータindexを多く保有し、他ツールが検知出来なかった被リンクデータを持っている事もあります。
Webmeupにログインし、対象サイトのURLを入力し、検索します。
サイト全体の外部リンク一覧をダウンロードする場合は、「Domain and subdomains」を選択します。
右下の「Download all backlinks」をクリックし、CSVデータをダウンロードします。
各所からダウンロードした一覧データを1つにまとめる
様々なリソースからダウンロードした外部リンクの一覧を1つのデータとしてマージし、精査作業をし易いようにデータを整えます。
先ず、各所からダウンロードした被リンク一覧はExcelのシート別の保存します。ローデータは別途保存しておくと、後のミスなどでも直ぐに対処できます。
↑Excelのシート別の各被リンクデータを保存する
次にExcelの別のシートを作成し、各所からダウンロードしてきた一覧データをまとめていきます。
リンクURLとダウンロード元のフラグを立てて、全てのデータを1つにまとめます。
被リンクURLの列をコピーし、URLの列の横に貼り付けます。
先ほどコピーしたURLをExcel機能の区切り位置を使って「/」で区切ります。これにより、ドメイン部分だけを抽出します。
ドメイン部分を抽出。
自社の関連サイトや精査から除外したいサイトのドメインを別の列に入力していきます。
ExcelのVlook関数を用いて、除外したいドメインにフラグ(目印)を一気に付けていきます。
後は、付けたフラグを軸にデータを並び替え、フラグが付いている箇所を一気に削除していきます。
様々な箇所から被リンクデータをダウンロードした為、同じ被リンクURLが複数一覧データに紛れ込んでいる場合があります。これをExcelの重複排除機能を使って消します。
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これで被リンク精査を行う為のリンク一覧が整いました。
この一覧データを元にドメインベース、URLベースで被リンクのチェックをしていきましょう。Googleのポリシーに沿わないリンクがある場合は、Webサイトのオーナーに削除を依頼するか、リンクの否認を行いリンクを無効化します。
参考:
・リンク プログラム
・バックリンクを否認する