最近では、Webライターという職業も一般化しつつあり、自社で運営しているオウンドメディアの記事を外部のライターさんに依頼するケースも良く耳にするようになりました。
今回は外部のライターに依頼した場合の、納品記事をチェックする際の項目を説明したいと思います。
納品コンテンツのチェック項目
【1】文章のコピーチェック
たとえ短い文章でも著作権はあります。外部ライターが意図的でなくとも、引用という意味で文章をそのまま転用してしまうケースがあります。
予め引用を許可している場合は問題ありませんが、依頼側が知らない所で他者の著作権物を自社のWebサイトに掲載してしまう事は、著作権違反として法律上のリスクがあります。
「無断で引用されていたとは知らなかった」では済まされない為、必ずその文章が完全にオリジナルで執筆されたものなのか確認する必要があります。
インターネット(Web)上にあるWebサイト群からコピーされていないか否かをチェックするには専用ツールを使います。
弊社ではコピペリンもしくは影武者を利用してコンテンツのコピーチェックを行っています。
両ツール共に、チェック対象となる文章を複数の文に分割し、それぞれの文をWeb上で検索をかける事でコピーチェックを行っているようです。
検索エンジンのクローラーが回遊するWebサイトであればHTMLやTXT、PDF問わずにコピーチェックを行えます。
尚、書籍や新聞などWeb上に文章データが掲載されている場合は、上記ツールを利用してもコピーチェックをすり抜けてしまいます。必ずしもツールでは100%の盗用確認を行う事は出来ない為、ライターに依頼する際はコピー・転用、抜粋に関する取り決めを明確にし、合意を文章で取るのが望ましいでしょう。
【2】画像のコピー&著作権チェック
外部のコンテンツの作成を依頼する場合、文章だけではなく補足画像の納品も依頼するケースがあると思います。画像も文章と同様に著作権が存在する為、自社サイトにそのまま掲載しても問題が無いか事前にチェックする必要があります。
Web上には画像に関する著作権の形式が多数存在し、各規約に基づいて掲載しなければなりません。
例えば、クリエイティブ・コモンズでは著作権の利用、改変などに関し4つの項目が存在します。この4つの項目を利用し、著作者はクリエイティブ・コモンズを用いて著作物の制限を明確に宣言する事ができます。このクリエイティブ・コモンズで「表示(CC BY)」と宣言されている画像の場合、営利目的で使用でき、改変を加える事ができます。ただし、著作権の表示が要求されており、引用元のURLへのリンクや著者名を掲載する必要があります。
又、ぱくたその様に一定の規約を満たせば著作権表示の義務も無く、自由に画像を利用する事ができる場合もあります。
以上の様に、著作権ごとに従う規則も異なり、画像毎にその規則を確認する必要があります。
確認方法
出典元を確認する事から始めます。大半の画像ファイルはネット上に公開されている事から、Googleの画像検索を利用する事で出典元を割り出す事ができます。
例として、加工された下記画像が納品されたと仮定します。
この画像はWikipedia(CC継承3.0)で公開されている画像です。(画像出典元リンク)
次に、装飾などの元の画像に加工した箇所を取り除いた画像を用意します。
Google画像検索から検索したい画像をアップロードします。
アップロードした画像のピクセル情報をGoogleが解析し、類似画像や出典元ページを表示してくれます。Google検索結果ページから、画像の出典元を割り出し、その画像の著作権を確認します。
【3】不適切な用語
無意識的に不適切な用語で文章を書いてしまう場合もあります。時代の変化によって、以前は普段使いの言葉でも現在では不適切な言葉として定められている単語も多数あり、それら単語が文章内に含有されていないかチェックする必要があります。
参考:放送禁止用語集
【4】事実確認
執筆内容が真実に基づいているか、内容を熟読して事実確認をする必要があります。
コンテンツの記事内容によって異なりますが、例えば金額や時間、年月日、許可の有無など人々の判断に大きく影響する内容は必ず検索などで確認します。
又、コンテンツが主観で書かれているのか否かもチェックする必要があります。
ライター名を明記する形で記事を掲載する場合は、主観によって書かれた記事を掲載する事もひとつのコンテンツメディアとして成り立ちますが、企業の名で記事を公開する場合は主観によるコンテンツではなく、飽くまでも客観的事実に基づいた内容を掲載するのが良いでしょう。
【5】誤字脱字チェック
細かな誤字脱字のチェックはMicroOfficeのWordやATOKクラウドを利用して確認します。
まとめ
納品物には必ず目を通し、内容そのものを確認しましょう。その上で、今回記載した項目を確認し、自社サイトに掲載しても問題ない形で外部のライターさんに書いてもらうのがベストでしょう。
▼チェック項目
【1】文章のコピーチェック
コピペリンや影武者などのツールを使ってチェックする。又、ライターにはオリジナル文章で執筆する事を予め定めておく。
【2】画像のコピー&著作権チェック
画像にも著作権がある。Google検索などを用いて出典元を割り出し、各著作権に準じた掲載が出来ているか確認する。
【3】不適切な用語
掲載に好ましくない事や単語を含んていないか確認する。
【4】事実確認
内容そのものが事実に基づいているか、自らWeb検索して確認する。
【5】誤字脱字チェック
WordやATOKクラウドなどで誤字脱字をチェックする。