2014年は「コンテンツマーケティング」がバズワードになり、多くの企業が注目するWebマーケティング手法となりました。
Webメディア企業からECサイト、コーポレートサイトまでブログやオウンドメディアを始めだし、コンテンツマーケティングが急激に広まった1年でもありました。
その中で、多数のコンテンツマーケティング会社が生まれ、コンサルティングやコンテンツ制作をするサービスが広まりました。徐々にコンテンツマーケティングを「外注する」という感覚も市場に根付き始めて来ています。
しかし、同時に外注するメリットもあればデメリットも分かり始めてきたのも事実です。今回はコンテンツマーケティングの外注で得られるメリットとデメリットを書いてみたいと思います。
外注するメリットとは
コンテンツマーケティングを『実行』に移せる
コンテンツマーケティングは、誤解を恐れずに言うと「文章を書く」事から始まります。
つまり外注しなくとも社内のスタッフでライティングしてしまえば良いのです。
もちろん、集客を考慮したキーワードプランニングや集客を考慮したコンテンツ露出方法の確立、CMSの構築など実施しなくてはならない事がライティング以外にも多数あります。
しかし、事実としてコンテンツマーケティングにかかる工数の大半を占めるのが「記事の執筆」にあります。
本業がある社内スタッフにライティングを任せていては中々記事が上がってこず、殆ど記事の数も確保出来ない為、目立った効果が出ていないというケースが多い傾向にあります。
外注する事で社内のリソースに影響される事なく、必要とするコンテンツを用意する事が出来、施策を実施する事ができます。
記事テイストの多様化する
人々は無意識的に「自分の文章の書き方」を持っています。
特に日頃長い文章を書いていることに慣れない人は、使う単語や文章の終わり方、表現の仕方など少ないテイストを何度も多用します。
テレビや雑誌、書籍などに触れる事で、記事を書く人の語彙力や表現の豊かさが上がりますが、それも徐々にであり、急には良くなりません。
外注する事により、多数のライターに記事を書いてもらうことが出来ます。
オウンドメディア形式などでWebメディアを構築する場合、多数のライターが記事を書いているという体裁がそのサイトの信用感の向上に影響する事もあります。
又、検索エンジンで意外に検索される形容詞や形容動詞も、多数のライターに依頼する事でサイト内に出現する形容詞のバリエーションが増え、結果的に検索エンジンからのオーガニック流入を増やすキッカケとなります。
見逃していた顧客を獲得できる
自社のサービスや商品に詳しい事は、対象となる顧客像も良く分かっているという事になります。
しかし、よく知りすぎてしまっているが故に新しい顧客像を見落としてしまうという弊害もあります。
どうしても長い間同じサービスや商品の開発、販売を行っていると、ある種の固定概念が根付いてしまいます。その固定概念が結果的に獲得できる潜在顧客層を見逃す要因になることもあります。
外注先のライターやコンテンツプランナーはそういった固定概念を持ちません。顧客に近いマインドで検索したり情報を探そうと考えます。その為、今まで社内では考えもつかなかったコンテンツ企画が出てくるメリットがあります。
社内の概念ではなく、外の考えを取り入れるといった面も外注するメリットとして挙げられるでしょう。
外注する事のデメリット
外注する事で今まで社内リソースの問題から止まっていたコンテンツマーケティング施策を実行へと移すことができ、顧客の早期獲得を図ることができるメリットを挙げました。
しかし、当然ながらデメリットもあります。
専門知識の不足がコンテンツに現れる
取り扱い商材がニッチな場合、当然コンテンツ内容もニッチになります。
専門的知識がある社内スタッフであれば問題なく執筆できる内容も、外部ライターは一から調査、学習を行う為、どうしても内容がやや表面的にならざるを得ません。
また各業界で存在するルールや表現方法もライターは明確に理解しきっていないまま執筆した場合、納品コンテンツにWebサイトでは掲載できない単語や文章が含まれてしまうケースもあり、結局は修正しなければならないといったケースもあります。
表現や表記ルールが反映されていない
「ですます」などの「調」は初めの段階で指定できますが、文章の表現までは事細かく指定する事は困難です。
長い期間の業務を通して習得する業界固有の表現方法や伝え方は、簡単に外部のライターに伝える事はできません。チェック項目などでルールなどを作成できますが、全ての表現をカバー出来るものではありません。
結局、一部は自社で修正したり加筆しなければならない事も発生します。
コンテンツマーケティングの外注を上手く使いこなすには
メリットもデメリットもあるコンテンツ制作の外注ですが、どうすれば上手くアウトソースできるのでしょうか。
ルールを明確にする
できる限り、考えうる文章内容のルールは明文化しておきましょう。
これくらい言わなくとも大丈夫、といった内容も明確に伝えておくことに越したことはありません。
表現方法から使ってはいけないワードリストや、表記統一リストなど用意して置くと、後からの修正を出す確率も下がることでしょう。
▼明文化する項目例
・利用不可ワードリスト
・表記統一リスト
・表現統一フレーズリスト
▼表現統一ワードリスト例
商品・顧客に関する知識の提示
外部ライターにある程度商品や対象としている顧客像を理解してもらうべく、開示できる情報を事前に渡しておきましょう。
又、商品に関する知識を単に送るのではなく、ライターでも理解し易い様に箇条書きでまとめておくと、よりライターの理解度も高まり、結果的に良いコンテンツを執筆してもらえる可能性も高くなります。
多くのケースとして、営業用資料や社内勉強用資料などを用いるとそれほど時間を掛けなくともライターにある程度商品やサービス、顧客に関する情報を提示出来ると思います。
顧客像(ペルソナ)を明確にする
集客をしたい顧客はどの様な像なのか、ライターと共にブレインストーミングするとライターと発注側の理解が一致し、思わぬ「ズレ」が発生し難くなります。
↑ブレインストーミングを通して明確化したペルソナを資料化し、両者で共有する
検索キーワードベースでペルソナを洗い出し、それら顧客像が欲している情報をコンテンツとして具現化する為のブレインストーミングを行うと良いでしょう。
ライターを育成する
一発で期待していたコンテンツが出てくれば良いですが、専門的知識などを必要とするコンテンツの場合は、初回納品物がどうしても期待とは異なる品質の場合もあります。
ライターも中々感覚を掴みきれていない状態で執筆している事もある為、初回のみは何度か修正を重ねて抑えるべき箇所を細かく伝えていきます。
実際のライティングを通して伝える事で、リスト化した物以上にライターへの体得度が高まり、次回納品物ではその品質が大幅に上がっているケースが多数あります。
まとめ
コンテンツマーケティングの外注にはメリットもあれば、デメリットもあります。
メリットとしては外注する事で、いままで止まっていたコンテンツマーケティング施策を実行に移すことが出来、結果的に早期に集客数を増加できます。
しかし、商品知識や表現ルールなどの理解不足による未完成なコンテンツが納品されるデメリットもあります。
外注する前に事前の認識のすり合わせを行う事でデメリットをできる限り抑え、いままで止まっていたブログやオウンドメディアを高速実施する事で対象顧客数の増加を図れます。
▼なお、コンテンツマーケティング事業を内製化したい、オウンドメディアを自社で構築、運営したいという方は以下の記事も併せてご覧ください
・コンテンツマーケティングとは? よくわかる解説と押さえるべきポイント
・【徹底解説】オウンドメディアのSEOとは?流入・集客を増加させるテクニック