2014年から一気に流行りだしたコンテンツマーケティングですが、手法や定義するコンテンツ、その効果に対する認識は各社様々です。
特にGoogleのアルゴリズム変更(所謂パンダアップデートの適用)により、コンテンツの品質をあげる事がSEOに於いても重要な要素であると考えられています。
そのような状況の中で、コンテンツマーケティングとコンテンツSEOが混在して認識されており、各企業によってその目的や期待効果の認識が異なっているのも事実です。
そこで今回は、コンテンツマーケティングが果たしてSEOとしての施策なのか?、そしてSEOの効果もあるのか?について書いてみたいと思います。
そもそもコンテンツマーケティングとは
コンテンツマーケティングという概念は決して最近に生まれたわけではありません。
コンテンツマーケティングとは、商品やサービスを購入する可能性がある顧客層に対して、コンテンツ(情報)を提供する事で、商品・サービスに対する顧客層の注意や意識を向かせ、最終的には自社商品を選んでもらう為のマーケティング施策だと考えています。
見込顧客に対し、商品の売り込みをするのではなく、顧客が知りたそうな情報を提供する事で接触し、ゆくゆくは自社商品を選んでもらうようにする施策の事です。
スマートフォンの爆発的な普及により検索行動が大きく変化し、より早く潜在顧客層と接触しなければ商品を購入してもらえない環境になり、コンテンツマーケティングが注目される結果となりました。
参考:コンテンツマーケティングとは
コンテンツマーケティングが注目された時期と同じ頃に、Googleがコンテンツの品質を重視するアップデート「Panda」を実運用し始めました。
このPandaUpdateの適用により、Webページのコンテンツ品質がGoogleの検索順位に大きく影響を与えるようになります。
タイミングが重なった事もあり、「SEOの効果を目的としたコンテンツの充実」と「潜在顧客層の購入意欲を促進するコンテンツの充実」の2つが混在して認識される様になったのでは無いかと思います。
コンテンツマーケティング施策はあくまでも顧客育成に軸を置いている為、顧客を重視してコンテンツの構成や内容が組まれます。
それに対し、SEOの効果を目的としたコンテンツ拡充施策の場合、記事数や文章量(文字数)などGoogleの認識の仕方や評価される文章を分析し、Googleに評価されるコンテンツを作ります。その上で、SEOに最適な箇所(ディレクトリ)に設置し、コンテンツ拡充によって得る評価を主軸キーワードの上昇に向けるのです。このことについては、こちらの記事でも解説していますので併せてご覧ください⇒【徹底解説】オウンドメディアのSEOとは?流入・集客を増加させるテクニック
以上の様に、施策の目的が異なる為、コンテンツを見る読者が異なり、制作するコンテンツの構成も異なる傾向にあります。
Googleはどう捉えているのか
読者(潜在顧客層)を対象として企画、制作したコンテンツは、結果的にGoogleからも評価を得る傾向にあります。
読者が何を知りたいか、どう説明したら理解されるか、読者を軸にコンテンツを企画する為、自ずと制作するコンテンツの情報性は高い物になります。
Googleがページの品質を重視しはじめたのも、Googleを利用するユーザーに対して最適な検索結果(情報)を答える為であり、結果的にユーザーを軸とするコンテンツの制作は、Googleからも評価を得ます。
上グラフはコンテンツマーケティングを実施したWebサイトのキーワード順位推移です。(ContentForceによる計測)
実施前は50位以降に位置するキーワードが圧倒的に多かったのに対し、徐々に10位以上の順位に位置するキーワードの数が増え始め、今では半数以上が20位以上にランクインするほど大幅に順位が上がりました。
その効果はトラフィックにも顕著に現れています。上図はコンテンツマーケティングとして設置したWebページの合計流入推移です。
検索エンジンからの集客数も大幅に増加した他、読者からもコンテンツに対するポジティブな支持を多くの受けた為、シェア数の増加でソーシャルメディア経由の流入数も伸びました。
結果的にはコンテンツマーケティングにより検索エンジンによるWebサイトの評価が向上し、検索エンジン経由のアクセス数が増加。オーガニック流入の比率が増えました。
集客数の増加後、コンテンツマーケティングページによる直接的なコンバージョンも発生し、アトリビューションとして貢献したコンバージョンも含めると、あるWebサイトでは総コンバージョン数の2割を増やした結果が出ました。
まとめ
顧客を意識したコンテンツの制作が、ゆくゆくはコンテンツSEOとしてGoogleに評価され、順位を上げる結果となっているケースが多くあります。
事例で取り上げたページの多くには殆ど有効なインバウンドリンクは付いておらず、ほぼコンテンツの品質のみでGoogleに評価された事になります。
Googleの進化により、過去言われ続けてきた「Content is King」が本当に評価される環境になりつつあるのではないかと思います。