オウンドメディア施策が流行りだし、多くの企業がコンテンツマーケティングで新規顧客の獲得を図っています。
しかし、闇雲にコンテンツを作り続けるだけでは適切な顧客ユーザーにリーチする事ができません。
もし同業者で非常に上手くWeb戦略を成し遂げているサイトがある場合、そのWebサイトを分析しどの様な施策やコンテンツを作っているのか、ユーザーの反応はどうかなどを分析した上で、自社のコンテンツマーケティングに取り入れるとより勝率の確度を高める事が出来ます。
今回はトラフィックを測るSimilarWeb以外で、競合サイトを調査するツールを紹介します。
競合サイトの人気コンテンツを探す
Facebookやツイッター、Google Plusなどでシェアされているコンテンツを探し出し、どの様なコンテンツが多くユーザーに指示されているか分析します。
競合サイトの顧客(ユーザー)は、自社サイトの顧客と非常に類似する為、自社サイトに掲載する次のコンテンツ案(ネタ)探しとして調査・分析出来ます。
Ahrefs.comに競合サイトのURLを入力し、「SEARCH LINKS」をクリックします。
ダッシュボードが表示されたら、左サイドバーの「Top Content」をクリックします。
右上にある各ソーシャルメディアのアイコンをクリックすると、それぞれのSNSで多くシェアされているコンテンツ(Webページ)が表示されます。
実際に各Webページにアクセスしてコンテンツの体裁や内容、書き方、テーマなどを分析すると、ユーザーから指示されるコンテンツの傾向が掴めます。
ある程度の量を分析する場合は、タイトル文や本文の形態素分析を行うと良いでしょう。
参考:競合サイトのコンテンツ調査方法…タイトル文から語句に分割抽出する
競合他社だけが獲得している被リンクを分析する
自社サイトは獲得していないが、他社サイトは獲得している被リンクを抽出し、「リンク獲得機会」を分析してみましょう。
リンク獲得機会とは、自社へのリンクを設置してもらえるかもしれないWebメディアやページを見つけ出し、設置依頼やコンテンツの配信を行う事で自然リンクの獲得数を増やす施策をここでは指します。
Mozにログインし、OpenSiteExploerをクリックします。
自社サイトのドメインを入力し、「Search」をクリックします。
※自社サイトの被リンクが表示されます。
次に、左サイドバーの「Link Opportunities」をクリックします。
タブ「Link Intersect」をクリックし、競合サイト(2つまで)のURLを入力します。
すると、指定した2つの競合サイトにはリンクしており、自社サイトにはリンクしていないWebページ(被リンク元)が一覧で表示されます。
各ページにアクセスし、なぜ自社サイトにはリンクが貼られなかったのか、どの様な経路やきっかけでリンクをこのWebページは設置したのか等分析し、自社サイトの自然リンク獲得施策を立案します。
広告タグやプラグインは何を導入しているか調査する
収益化の為に設置している広告表示枠のタグや、リマーケティングタグ、アクセス解析タグ、ソーシャルメディアウィジェットタグなどを調査します。
SimilarTechにアクセスし、調査したいサイトのドメイン(URL)を入力し、Enterを押します。
入力したドメインが導入しているタグやプラグインが一覧で表示されます。
↑広告タグ
↑導入しているJavaScriptプラグイン
↑ソーシャルメディアのウィジェット
SimilarTechのもう一つの利点として、タグやプラグイン名から導入しているWebサイトを抽出できます。
上図はGoogleRemarketingの場合
SEO+SEM(リスティング)の検索順位と露出度
サイト全体の検索表示率(Visibility)やキーワード別の順位推移を調査できます。
現在の順位であれば順位チェックツールを使えば計測できますが、過去の推移を見る事はできません。SearchMetricsを使えば、膨大なキーワードから順位推移を調べる事が出来、どの様な推移で検索エンジンからの流入獲得力を上げてきたか調査出来ます。
SearchMetricsにアクセスし、調査したいドメインを入力します。対象国を「JP」を選択し、「Go」をクリックします。
上図はask.comの「SEO+Paid Visibility」の時系列推移グラフです。
Visibilityとは表示度を新たした数値であり、SearchMetrics社が独自で膨大なキーワードの検索結果(SERPs)を毎日取得し、自然検索と有料検索枠の表示数や順位を数値化した物です。
ask.comの場合、2015年の1月中旬からリスティング広告の出稿を急激に減少(もしくは出稿停止)させている事が分かります。
過去の集客方法・ワードでは収益性が悪いと判断し、出稿を抑えたかもしれません。これら情報から競合の検索エンジン上に於ける施策を分析します。
キーワード別の順位や平均入札単価なども閲覧できます。
ツイッターアカウントの分析から影響度や運用を調査
競合サイトの公式ツイッターアカウントを分析し、ツイート投稿タイミングやインフルエンサーとなるユーザーを分析します。
Simply Measuredのツイッターアカウント分析ツールにアクセスし、競合サイトのアカウントURLを入力します。
Simiply MeasuredのTwitterアカウントのフォローを求められるので、自分のツイッターアカウントにログインし、フォローします。
フォローが完了すると、調査レポートが1分程で生成されます。
レポート上部には合計のフォロワー数やツイート数と、Klout Scoreというソーシャル上の影響度を表した数字が表示されます。
Klout Scoreとは、ソーシャルメディアアカウントを1から100の間で評価し、数字が大きくなるほどオーディエンスに対する影響度が強い事を表します。
オーディエンスのプロフィール文に含まれるTOPキーワードです。
このキーワードから競合サイトのTwitterアカウントをフォローしているユーザーや、投稿にリーチするユーザーの属性を分析します。
競合アカウントのインフルエンサーとなるフォロワー一覧です。
フォロワーしているユーザーが持つフォロワー数やKlout Scoreから、リツイートした時のリーチ力や拡散誘発力を測る事が出来ます。
以上の他にも、様々な切り口でTwitterアカウントを分析できます。生成したレポートはExcelやPowerpoint形式でもダウンロードできます。
まとめ
●Ahrefs.comを使ってSNSで拡散されているコンテンツを探す
└コンテンツのテーマや書き方、クリエイティブなどを調査し、自社サイトのコンテンツ案の参考とする
●Link Opportunitiesで自社が獲得していないリンク元を探す
└リンク獲得戦略の参考材料にする
●SimilarTechで広告タグやプラグインを調査
└導入技術や効果測定ツールを分析。良い物があれば、自社サイトへの導入を検討する。
●SearchMetricsでSEOとリスティング状況を調査
└過去の順位推移や出稿量の増減から、キーワード単位の収益ポテンシャルを見る。
継続露出しているワードで自社が出稿していない場合は、そのワードでリスティング広告掲載を検討する。
●Simply MeasuredツールでTwitterアカウントを分析
└アカウントのフォロワー属性やKlout Scoreからの影響度を調査。