SEOやリスティング広告出稿する前に想定集客数を試算する場合、検索順位毎のクリック率(CTR)は非常に重要な指標となります。
一般的な「CTRデータ」はWebで検索すると多数出てきますが、日々変化するユーザー動向やデバイス、検索結果ページによって1ヶ月単位でもCTRは十分に変化する要素を持っています。
今回は、CTRの変化を細かく調べる事ができるWebサービス「Google Organic CTR History」を紹介したいと思います。
Google Organic CTR History
SEOソフトウェア「Advanced WEB RANKING」は、月単位で検索結果(SERPs)からのクリック率を表示するWebサービスを公開しています。
リンク:Google Organic CTR History
AOLなどが公開するCTRデータよりも詳細にデータを閲覧でき、想定クリック数などの試算に利用できます。そのうちの幾つかを紹介したいと思います。
CTR Historyの機能
CTR Historyの特長は正にその細かなセグメント別のデータ閲覧でしょう。
CTRグラフの真上にあるタブで測定対象キーワードの種類別にCTRを見る事ができます。リスティング広告の有りなしキーワードのCTRやブランド名や指名キーワードと非ブランド名キーワードのCTR比較、ユーザー意思が明確・不明確なキーワードのCTR比較など様々なキーワードカテゴリでクリック率を閲覧できます。
ブランド名 vs 非ブランド名
サイト名や商品名などブランド名キーワードと、それ以外のキーワードのクリック率を表したグラフです。
当然ながらブランドキーワードは1位のCTRは極めて高く、非ブランド名キーワードとの差が20ptも異なります。
複合キーワードとデバイス別CTR
単ワードと複合ワードのCTRやPCとスマートフォンのCTRを比較できます。
上の図はPCのCTRです。
1語と4語のクリック率を比較していますが、2位以降のCTRに大きな差が見られます。
上図はスマートフォンのCTR推移を表したグラフです。
先ほどのPCと同じく4語掛け合わせキーワードのCTRは1語よりも高いですが、スマートフォンの場合、2位以降のCTRの差分値がPC以上に大きいのが特長です。
スマートフォンの場合、単ワードでは1位以外殆どクリックされないのに対し、4語掛け合わせの場合は1位と2位でもそれ程大きな大差は無いと見ることもできます。
キーワードカテゴリ別のCTR比較
対象となるキーワードのカテゴリ毎にクリック率の推移を確認できます。
上図はキーワードカテゴリ「Dining & Nightlife」と「Internet & Telecom」のCTR推移比較です。カテゴリによってもCTRの差は大きく、より正確なクリック予測を算出するにはカテゴリ別のCTRも参考にするべきでしょう。
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以上でご紹介した機能はCTR Historyのごく一部です。
更に細かなセグメントでクリック率の推移を比較できますので、是非触ってみてはいかがでしょうか。
リンク:Google Organic CTR History
クリック率は何に使うの!?
実際にクリック率がわかった所で、何が出来るのか疑問を持たれる方もいらっしゃるかもしれません。
これらCTRは検索エンジンからの集客数(アクセス数)の試算に利用するのが一般的です。
通常、SEMに於けるクリック数はキーワードの検索される回数×クリック率で算出できます。検索回数はGoogle Adwordsのキーワードツールで取得できますので、この数値を用いてSEO施策を実施した場合やリスティング広告を出稿した場合の想定クリック数をこのCTRのを用いて算出します。
又、収益計算は上図のような方程式に各数字を当てはめて考えるのが一般的かと思います。その際、集客数を試算する時に今回紹介した「参考CTR値」が必要となってきます。
まとめ
検索エンジンの順位別CTR(クリック率)はGoogle Organic CTR Historyで取得可能。
CTR Historyはデバイス別、月別、キーワード数別、カテゴリ別にCTRの推移を閲覧できる。
これらCTRと検索ボリュームを用いて集客数を試算する事により、検索連動型広告の出稿やSEO施策の費用対効果を事前に把握する事ができる。